(2011.11.26 - 11.27)
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里見しば | こんばんは。少し早めにお邪魔いたします。 |
里見しば | 今日はどうぞよろしくお願いいたします。 |
里見しば | こういうちょっとした時間に、何か気の利いた芸ができれば良いなとつねづね思います。 |
赤松弥太郎 | すいません、お待たせいたしました。 |
里見しば | こんばんは。いえいえ~、よろしくお願いします。 |
赤松弥太郎 | どうも、よろしくお願いします。 |
赤松弥太郎 | 時間になるまでどうぞごゆるりとお過ごしください。 |
赤松弥太郎 | ボクも何か芸が出来ればいいんですけどねw |
里見しば | 了解です。緊張しながらゆっくりさせてもらうという芸をさせてもらいます。 |
赤松弥太郎 | ではボクも。 |
里見しば | 今晩も寒いので、暖かい場所でPCと向かい合ってくださいね。 |
赤松弥太郎 | PC様は寒いところに置いてますが、ボクはぬくぬくとやってますねー。 |
赤松弥太郎 | ←実は鍋を食ったばかりです |
里見しば | 鍋! 良いですね~! 羨ましい……。 |
赤松弥太郎 | ええそれはもうおいしく、端からぼりぼりバリバリ、ぷっぴっぷーと。 |
里見しば | 異音のする鍋ですね。めちゃくちゃ美味しそうです。 |
赤松弥太郎 | さて、つまらない冗談を言っているところで時間になりました。 |
里見しば | はい。よろしくお願いします。 |
赤松弥太郎 | では、第10回、フリーゲーム あの人に聞きたい!はじめます。 |
赤松弥太郎 | まずはゲストの方の自己紹介をお願いします。 |
里見しば | 里見しばといいます。 |
里見しば | TRUE REMEMBRANCE、送電塔のミメイというノベルゲームを制作しました。 |
赤松弥太郎 | 改めて、本日はよろしくお願いいたします。 |
里見しば | こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。 |
赤松弥太郎 | では、最初のいつもの質問、今回はちょっと変えて「人生を変えた3つのストーリー」を お訊ねした……のですが。 |
赤松弥太郎 | 結果的に3つのゲームを聞くのと変わらなかったですねw |
里見しば | あはは。ゲーム以外のほうが良かったですね。 |
赤松弥太郎 | いやいや、ちょっと意外だっただけで。 |
里見しば | ゲームも本もどちらも大好きです。 |
赤松弥太郎 | でも、人生変えたというと……やはりゲームだと。 |
里見しば | そうですね。本を読み始める前からゲームの方に触れていたので。 |
赤松弥太郎 | 一番最初に触れたゲームってなんでしたか? |
里見しば | う~ん、本当に小さい頃で、しかも自分ではプレイしていないのでうろ覚えなのですが、 やっぱりFFなんだと思います。 |
赤松弥太郎 | ということで、一本目に選んでいただいたのは「ファイナルファンタジーシリーズ」です。 |
里見しば | 兄がプレイしているのを、後ろからこっそり覗いていました。 |
赤松弥太郎 | FFと言っても色々ありますが、特に思い出深いのはどれですか? |
里見しば | 見ていて感動したのは4、自分で初めてプレイしたのは7です。 |
赤松弥太郎 | 一番FFが脂が乗ってた時期ですね。 |
赤松弥太郎 | いやあ、ボク自身色々思い出があってなかなか言葉が出てこないのですが。 |
里見しば | ストーリーにのめりこんだのだと思います。物語が気になってしまって。 |
赤松弥太郎 | わかりますねえ。 |
赤松弥太郎 | ボクもそうでした。兄がプレイしているのを後ろから覗いてて…… |
里見しば | 後ろからこっそり覗いていただけなので、レベルアップばかりこつこつしているのを見ると、 早くストーリーを進めて! とじれったく思っていました。 |
赤松弥太郎 | 覗いてると、自分でプレイしてるのとは違った部分に気がつくんですよね。音楽とか、演出とか。 |
里見しば | ありますねぇ。FFに限らず、音楽を聞くのは大好きです。 |
赤松弥太郎 | あと、思い入れがちょっと違ってくるのもある気がします。ほら、FFってホント良く人が死ぬじゃ ありませんか。 |
里見しば | 死にますね。なぜ? というくらい。無常です。 |
赤松弥太郎 | ヒドいときにはマズい魚食べただけで死んじゃいますからねw |
里見しば | あはは。世界が終わってしまいますしね。 |
赤松弥太郎 | 観てるだけだと結構キツかった記憶がありますよ。「なんでマズい魚食べさせちゃうのよ!」って。 |
赤松弥太郎 | 自分でやってみると結構うまいサカナだけ食わすのって面倒なんだけどw |
里見しば | 胃腸のほうをもう少し丈夫にしないと、世界は救えないのです。 |
赤松弥太郎 | 確かにw |
里見しば | 食べ物って大切ですね。 |
里見しば | 食べ物が美味しく表現できる文章をかけるようになりたいです。 |
赤松弥太郎 | 他のジャンルのゲームはプレイしてましたか? 格ゲーとかアクションとか。 |
里見しば | 格ゲーはストリートファイター2なら少し。勝つまで粘るタイプです。 |
赤松弥太郎 | どちらかというとストーリーのあるゲームの方がお好きだった感じですかね。 |
里見しば | そうですね。のめり込むのはストーリーがよく作られているゲームです。 |
赤松弥太郎 | ということで、2本目は「弟切草」。サウンドノベルというジャンルを作った名作ですね。 |
里見しば | これも見ていただけなのですが。読めない漢字がいっぱいありましたが、根性で理解しようと していました。 |
赤松弥太郎 | 観てるだけのサンノベですか……それは色々とつらそうな。 |
赤松弥太郎 | お兄さんが選んだ選択肢に満足できない! 違うでしょここ! みたいなことはなかったのですか? |
里見しば | いや~、どのルートに進んでも結構めちゃくちゃなストーリーでしたから、楽しかったです。 |
赤松弥太郎 | 確かに……長坂秀佳全壊のぶちこわれシナリオですからねwホラーとして買った人には噴飯もの だったそうですがw |
里見しば | あれはホラーじゃないですねw今プレイしたら、きっと違う感慨があると思います。 |
里見しば | ノベルゲームはなんて自由なんだろうと思います。 |
赤松弥太郎 | エンターテイメントとしては成功してると思うんですよね弟切草。ある種完成されてます。 |
赤松弥太郎 | 何が起きるか全く予想が付きませんからねー。 |
里見しば | 初めてプレイ(しているのを見た)ときは、びっくりしました。文字だけでゲームといえるんだなぁと。 でも読んでみると面白いので、やっぱり有りなんだと感動しました。 |
里見しば | 先ほどから微妙に二重表示ですみません。 |
赤松弥太郎 | うーむ、今日はチャットの調子が良くないですね…… ※この日はチャットサーバに障害が発生、レスポンスが遅く発言が二重三重に表示される状態。案の定この発言も三重表示に…… |
里見しば | すべてが大切な事なので二度三度言ってみました。 |
赤松弥太郎 | 皆さんにはご不便おかけしてます。ログはきれいにして公開しますのでー。 |
赤松弥太郎 | サンノベについて、こういうゲームを作ってみたい、という気持ちは持ってましたか? |
里見しば | はじめは、ノベルゲームという形にするつもりはなく、なにか文章を完成させることができれば と思っていました。 |
里見しば | ちょうどその頃に、手軽にノベルゲームを作れるツールがあることを知ったので。 |
里見しば | 思い切って挑戦してみよう! と作り始めました。 |
赤松弥太郎 | それっていつ頃の話でしょうか? |
里見しば | その頃はコミックメーカーが主流だったので、読んでくれる方にはお手間をとらせたと思います。 |
赤松弥太郎 | ああ、ずいぶん後になってからの話なんですね。 |
里見しば | そうですね……、初めて作品を完成させたのが2003年なので、その一年ほど前でしょうか。 |
里見しば | やる気を維持させるために、とにかく早く完成させたかったので、 |
里見しば | 完成させたものの誤字が多くて、プレイヤーさんにありがたいご報告を受けていました。 |
赤松弥太郎 | それまでは、特に小説を書いたりはしてらっしゃらなかったんですか? |
里見しば | 文章を書くことは、小さい頃から好きでした。でもいつも途中で投げ出してました。 |
里見しば | 読み返すと非常に恥ずかしいです。 |
赤松弥太郎 | 意外です。TRUE REMEMBRANCEの文章を見て、書き慣れてらっしゃるのかと思ってました。 |
赤松弥太郎 | ということは、人生で初めて完成させた文章作品はTRUE REMEMBRANCEだったんですね。 |
里見しば | 誰かに読んでもらうために書いた、初めての文章です。 |
赤松弥太郎 | へええ……正直驚いてます。 |
里見しば | なので、公開するときはとても迷いましたw |
里見しば | あまり人に見てもらうことに慣れていなかったので。 |
赤松弥太郎 | Web小説ではなく、フリーゲームとして公開したのはどうしてでしょう? |
里見しば | せっかくなので、自分にできることは全部つめ込もうと、文章も絵もと欲張りました。それを表現する にはフリーゲームが一番かと。 |
里見しば | あとは、音楽の影響が大きいです。 |
赤松弥太郎 | その時点でしばさんは結構フリーゲームをプレイしてたんですよね。 |
赤松弥太郎 | どんなゲームをプレイしてましたか? |
里見しば | 手当たり次第にDLしていましたが、すごいなぁと思ったのは林檎坂通信さんの『最後の夏』です。 |
里見しば | 猫のお話で、綺麗な文章と雰囲気が素敵でした。 |
赤松弥太郎 | あー……どこかで聞いた覚えはあるんですが、プレイしてませんでした。 |
赤松弥太郎 | もう公開終了してたんですね……残念です。 |
里見しば | ガラスの中の少女を制作された方ですね。綺麗な文章を書く方だなぁと。 |
赤松弥太郎 | そっちはプレイしてます。あの文章、透明感のある、と表現するのがいいんでしょうか。 |
赤松弥太郎 | 今からプレイをオススメできないのが残念です。ボクももう一度プレイしたかったなー |
里見しば | そうですね。とても残念です。また作品を作っていただけたらなと思います。 |
赤松弥太郎 | で、プレイヤーとして憧れていた舞台に、作者として挑戦することになったわけですね。 |
里見しば | そう言われると何やら壮大ですが、四苦八苦しながら挑戦してみました。 |
赤松弥太郎 | あーっと、3本目のゲーム「ICO」のこと触れるの忘れてました。ファンの人から怒られちゃいますね。 |
里見しば | あはは。『ICO』は好きな方がたくさんいそうですね。ぼーっと画面を見ているだけで楽しいので。 |
赤松弥太郎 | ICO、ボクはプレイしたことはないんですが、動画で見てみました。 |
赤松弥太郎 | かわいいですね。チョコチョコと後ろをついて歩くヒロインが。 |
里見しば | かわいいですね~。あと主人公がタフなので、アクション下手な私にはありがたいです。 |
赤松弥太郎 | エラい高さから落ちてますよねアレ。スペランカー先生だったら以下略。 |
里見しば | スペランカー先生は特殊すぎて素晴らしいですね。 |
赤松弥太郎 | 今年になってPS3から待望のHDリマスター版も出ましたので、PS3持ってる方はこの機会に ぜひどうぞー。 < ICO |
赤松弥太郎 | 一時期は中古市場でもひどい高値だったのですが、お求めやすくなってますよーと宣伝してみます。 |
里見しば | ぜひ。でも私はPS3持ってないんですよー! |
赤松弥太郎 | ボクも持ってねー! |
里見しば | ええ! そうなんですか!? ……笑いました。 |
赤松弥太郎 | では、色々グダグダしましたが、そろそろTRUE REMEMBRANCEの制作話に移りましょうか。 |
里見しば | はい。移りましょう。 |
赤松弥太郎 | しばさんは7年前、ボクの大先輩、つぐみさんからのインタビューを覚えてらっしゃいます? |
赤松弥太郎 | これですね。 |
里見しば | うわー、お恥ずかしい。もちろん覚えています。お声をかけていただけて嬉しかったです。 |
赤松弥太郎 | これを読むと、まず「完成させる!」という目標が最初にあったみたいですけど、一番最初、どこから 話を作り始めたのですか? |
里見しば | はじめは、小さな街で起こる記憶をテーマにした物語、という根幹がありました。 |
赤松弥太郎 | ぶれてませんね。一番中心の部分が最初にあったんですね。 |
里見しば | 実はそれしか無かったのですけれど。そのテーマに沿って、話の流れを作っていきました。 |
赤松弥太郎 | そこから、舞台設定、キャラクター、プロット、だいたいどの順番に作ったんでしょうか? |
里見しば | まずは舞台設定です。いつも雪が降っている街、という舞台が一番です。 |
里見しば | 次に大まかなプロット。そして物語を動かしやすいキャラクターの順番です。 |
赤松弥太郎 | ストーリーに沿ってキャラクターを作る感じなんですね。 |
赤松弥太郎 | ということは、キャラクターはビジュアルよりも性格面重視で作っていったんですか? |
里見しば | そうですね。そうしないと、何をしたいのかよくわからない人物になってしまいそうなので。 |
赤松弥太郎 | 先のインタビューによると、「起伏のない日常を書くので、起伏のない性格の主人公が書きやすいに 違いない」で生まれたのが黒目だった、と。 |
里見しば | それが黒目です。書きやすい、ありがたい主人公です。 |
赤松弥太郎 | そこからビジュアル的なイメージを膨らませていった感じですか。 |
里見しば | 黒目に関してはビジュアルはそれほど悩みませんでした。 |
里見しば | 黒ければ良いかと。 |
赤松弥太郎 | ひどいwww |
赤松弥太郎 | まあ、青目だったりしたらダメですけどwww |
里見しば | それはすごい裏切行為ですねw |
赤松弥太郎 | とすると、ラは迷ったんですか? |
里見しば | 髪の分け目が左右非対称の人物にすると、反転というずるい技が使えないなぁと悩みました。 |
赤松弥太郎 | ああ、なるほど……って!w |
赤松弥太郎 | あやうく真ん中分けにされちゃうところだったんですねラちゃん……ww |
里見しば | 結局、どうしても分け目を非対称にしたくて、コミックメーカー製は同じ向きを向いていることが 多いです。 |
赤松弥太郎 | 時々振り返ったりしてますけどね、地味に。 |
里見しば | 地味にちょっとだけ動いています。ラは少し、アンバランスさを出したかったのだと思います。 |
赤松弥太郎 | あれ、そういえば、3DS版は分け目が逆になってる!って反応があったような…… |
赤松弥太郎 | 言っていいんでしたっけ、この話。 |
里見しば | 3DSについては、専門のイラストレーターさんにお願いするということで、キャラメイクはレーターさん の個性にお任せさせていただきました。 |
里見しば | やはり餅は餅屋ということで。 |
赤松弥太郎 | ああ、なるほど。了解しました。 |
赤松弥太郎 | なんだかお話を聞いてると、大きな問題もなく結構スムーズに作れてた印象があるんですけど、 どうでしょうか? |
里見しば | そうですね。途中まではスムーズでした。六話(転の部分)までの流れは頭にあったので。 |
赤松弥太郎 | ラが歌うところまで、ですか? |
里見しば | そこまでです。それ以降は、どうやってラストまで持っていこうか、本当に悩みました。 |
赤松弥太郎 | 先程のインタビューでも、シナリオが8割完成しても残り2割が白紙だった、ということでしたが…… |
赤松弥太郎 | ボツになった展開もたくさんあるのですか? |
里見しば | 黒目だけ街を出るラストなども考えたのですが……。 |
赤松弥太郎 | うわあ……バッドエンドですねそれは。 |
里見しば | 当時は、無理やりでもいいからスッキリした終わり方にしたい気持ちが強かったです。 |
里見しば | 本当は、悲しさのなかに余韻のある物語も書いてみたいです。 |
赤松弥太郎 | しかし、TRUE REMEMBRANCEはあれで良かったのではないですか? どうでしょうね? |
里見しば | はい。私もTRUE~のラストはあの形以外にないと思っています。 |
赤松弥太郎 | 書いてみて、これで行こう! と決めたのも、それが一番スッキリする展開だったからですか? |
里見しば | 一番登場人物の心情に添っていて、無理のない流れだと思いました。 |
赤松弥太郎 | そして、いよいよ公開……その時は、まさかこんな末永い人気作になるとは思ってなかった でしょうね。 |
里見しば | 誰か一人でも読んだよーと言ってくれる方がいたら嬉しいと思っていました。 |
赤松弥太郎 | 公開後の反響について、当時はどう思っていましたか? |
里見しば | ネット上という場所は、やっぱりすごいなと。かなり辺鄙なサイトで公開したにも拘わらず、ちゃんと 見つけてくれる方がいてありがたかったです。 |
赤松弥太郎 | それがだんだんと人気になって、フリゲ界を風靡するまでになっていったわけですけども。 |
里見しば | 風靡はないと思いますけれど、たくさんの人に読んでいただけることは嬉しいです。 |
里見しば | 地味に地道に物を読むことが好きな方がいてくれて嬉しいです。 |
赤松弥太郎 | どんなきっかけでリメイク版を作ろうと思いたったのでしょう? |
里見しば | 吉里吉里では表現の幅が広がるだろうと思いました。次作には吉里吉里をと考えていたので、 自分に使えるか試すという理由もありました。 |
赤松弥太郎 | ああ、ミメイは並行開発だったのですね。 |
赤松弥太郎 | でも、リメイク作業というのもなかなか大変だったのではないですか? |
里見しば | 大変でしたー。とにかくイラストが描いても描いても終わらない……。 |
赤松弥太郎 | 黒目がほぼ完全リテイク、ラも大量に追加、一枚絵も大量に投入…… |
赤松弥太郎 | あと、画面の解像度が微妙に変わったり、フォントの大きさが変わって字詰めが変わったり…… |
里見しば | やはり旧版をプレイしてくださった方にも、新鮮な気分で読んでいただきたくて。 |
赤松弥太郎 | 追加になった3話なんて、旧プレイヤーにはニヤリとさせられる内容だったんじゃないかと思います。 |
赤松弥太郎 | リメイクにあたって気をつけたことはなんでしょうか。 |
里見しば | 旧版の雰囲気を失わないことです。スタイリッシュではなく、ちょっともっさりした感じがTRUE~ らしいと思います。 |
里見しば | ツールが変わっても身近に感じられるように作りたいと思いました。 |
赤松弥太郎 | 温かさ、というのはありますね。ちょっとオシャレにはなりましたが、作品の空気は変わっていな かったと思います。 |
里見しば | そう言っていただけて嬉しいです。 |
赤松弥太郎 | この間新旧両方プレイしてみたんですけど、色々と発見があって面白かったですよ。 |
里見しば | ええ!? コミックメーカー版をプレイしたんですか……。チャレンジャーですね。 |
赤松弥太郎 | コミメが動く環境なら、旧版も思い出したようにやってみるのも良いかと思います。 |
里見しば | ちょっと恥ずかしいです。いろいろ雑なので。 |
赤松弥太郎 | まあ、でも、敢えてやる必要はないんですけどね。ちょっと酔狂すぎる楽しみ方ではありました。 |
赤松弥太郎 | では、そろそろミメイの話に。 |
里見しば | はい。 |
赤松弥太郎 | ミメイの構想を始めたのはいつ頃からですか? |
里見しば | TRUE~を完成させた後、次は短編か、淡々としたTRUE~とは違ったものを作ろうと思いました。 なので、構想をはじめたのはTRUE~の完成後、半年ほど経ってからでしょうか。 |
赤松弥太郎 | 実はさっきのインタビューでも、それっぽいことが書いてあるんですよね。「熱い闘いも書いて みたい」って。 |
赤松弥太郎 | その頃には漠然とイメージができてたんですか? |
里見しば | もやもやっとしたイメージはありました。実際書いてみたら、やっぱり淡々とした闘いになって いますが。 |
里見しば | ノベルは音楽を付けられるので、戦闘時にはとても助かっています。 |
赤松弥太郎 | TRUE REMEMBRANCEと違ったものを作りたい、ということでしたけど、比べるとなかなか面白い 違いがあるんですよね。 |
赤松弥太郎 | わざと対比させたようなところがあるのでしょうか。 |
里見しば | 面白い違いwありますか? |
赤松弥太郎 | TRUEが冬ならミメイは夏、TRUEが大陸ならミメイは島、みたいな。 |
赤松弥太郎 | ラが最後に、海と山が見たいって言ってましたけど、廃墟離島ならどっちも一度に見られるん ですよね。 |
里見しば | なるほど。季節の違いはあまり意識していませんでした。 |
里見しば | せっかく四季のある国に生まれたのだから、いろいろな季節を表現してみたいとは思います。 |
赤松弥太郎 | わざとというか、結果的にって感じでしょうか。 |
里見しば | そうですね。基本的に書きたいものを書いているので、洋の次は和を書いてみたかったです。 |
赤松弥太郎 | しかし、今回は3年近くと、やや苦戦したようですが、どの段階で詰まったのでしょうか? |
赤松弥太郎 | 今回も舞台、プロット、キャラクターの順に作ったのですか? |
里見しば | 舞台→プロット→キャラクターの順番です。今回は残る想いと忘れられる想いというテーマで。 あとは未来についてです。 |
里見しば | 詰まったのは、やはりラストです。さらにムービーです。 |
赤松弥太郎 | ラストというと、ミメイが夜刀の家に立てこもったあたり以降ですか。 |
里見しば | 立てこもったあたりと、終話手前の送電塔下での二人の決闘以降です。 |
赤松弥太郎 | これもボツエピソードなどあったら伺いたいですねえ。 |
里見しば | あの辺りで夜刀だけ残されるラストも考えたのですが、あまりにひどすぎて断念しました。 |
赤松弥太郎 | さすがにそれでは話が収まりませんでしたか。 |
里見しば | そういうラストも有って良いと思いますが、ミメイでは出来ませんでした。 |
赤松弥太郎 | なかなか難しいものですね、悲しさのなかに余韻のあるラストというのも…… |
里見しば | いつかもう少し精神的に頑丈になったら書いてみたいです。 |
里見しば | 悲しい話は、書くほうも読んでくれる方も、いろいろなパワーが奪われると思うので。 |
赤松弥太郎 | 制作中、特に気をつけたところ、工夫したところはどこでしょうか。 |
里見しば | TRUE~では感情表現を抑えたつもりだったので、ミメイでは少しだけ人物の感情に踏み込んで みました。 |
里見しば | 文章表現では、とにかく夏らしさを感じられるように心がけました。 |
里見しば | 書いていたのは主に冬だったので、製作中は夏への憧れがすごかったです。 |
赤松弥太郎 | あれ、夏はあまり書かなかったんですか? |
里見しば | 現代物で少し。けれど、時代物だと扇風機やらクーラーやら、それらしい道具が使えないので苦労 しました。 |
赤松弥太郎 | あ、いや、シナリオを書いたのは冬だったんですね、という意味です。 |
里見しば | あ、夏の期間中は、ということですねw 夏は主に絵を描いていました。暑かったです。 |
赤松弥太郎 | しばさんは、絵と文章に向いた季節がそれぞれ違うんですか? |
里見しば | う~ん、そういえば文章を書くのは冬が多いですね。頭がすっきりするのだと思います。 |
赤松弥太郎 | まあ、猛暑の最中は頭脳労働をする気にはなりませんね……w |
里見しば | ひたすら色を塗り続ける作業には向いているのですけれど。 |
赤松弥太郎 | さて、足かけ3年かけて完成したミメイですが、しばさんにとって、フリーゲームを作って良かった! と 一番感じることはなんでしょうか。 |
里見しば | ひとつの物を作った達成感と、やはり感想をいただけたときに幸せを感じます。 |
里見しば | 驚くような鋭い感想をいただいたり、笑ってしまうような突っ込みをいただいたり、嬉しいです。 |
赤松弥太郎 | さて、といったところで、皆さんからのツッコミタイム、いってみましょうか。 |
里見しば | ツッコミw |
赤松弥太郎 | 皆さんお待たせしてすいません。サーバの不調で思いの外時間がかかっちゃいました。 |
赤松弥太郎 | では、まず>>4さん、「絵を描いたり話を作るうえで影響を受けた作家さんや作品を教えてください」 |
里見しば | TRUE~では『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』という村上春樹さんの小説、 ミメイでは時代小説全般に影響を受けています。 |
赤松弥太郎 | 「お好きなファンタジー作品を教えて下さい」 |
里見しば | ファンタジー……う~ん、空色勾玉が好きです。 |
赤松弥太郎 | 「普段はどんな音楽をきいておられるのでしょうか?」 |
里見しば | 民族音楽など、ネットで調べて聞いています。 |
赤松弥太郎 | 「ゲーム制作で一番好きな作業はどの部分ですか?また一番嫌いな作業は何でしょうか」 ……これは以前のインタビューだと選曲が一番好きだというお話でしたが。 |
里見しば | やっぱり選曲が一番好きです! ぴったりと演出できたときはニヤニヤしてしまいます。 |
赤松弥太郎 | 続けていきます、>>6さん、ミメイの声優のイメージだそうです。 |
里見しば | これは考えたことがなかったです。読んでくれる方が自由に想像してくだされば嬉しいです。 基本、女性の声でお願いします。 |
赤松弥太郎 | >>7さん、「結婚して下さいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 |
里見しば | よくよ~く考えてくださいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! |
赤松弥太郎 | >>8さんが好きなノベルゲーム、>>13さんがオススメの小説・マンガ、>>11さんが最近のオススメ について質問してます。 |
里見しば | 好きなノベルゲームはやはり思い出深いので弟切草、 |
里見しば | オススメの小説はいろいろありいますが、家守綺譚、 |
里見しば | 最近のオススメ・マンガは、映画化したのでうさぎドロップを読んだら面白かったです。 |
赤松弥太郎 | >>9さん「ラにスリーサイズの設定はありますか?あったら教えてください>< 」 |
里見しば | あはは。たぶん、寸胴だと思います、がっかりです。 |
赤松弥太郎 | >>18さん「3DSのTRUE REMEMBRANCEにはラの胸が揺れないという不具合が報告されて いますが、コメントをお願いします」……誰ですかこんなバカげた質問送ったのは。 |
里見しば | 誰ですかw仕様ですよー。妄想で揺らしましょう。 |
赤松弥太郎 | 昔から言いますよね、無い胸は揺れないって。 |
赤松弥太郎 | >>11さん「ゲームでは明されなかったキャラクターのプロフィール(年齢、身長)や、実はこのキャラ にはこんなところがあるんだよ、みたいな裏設定のようなものがあったら知りたいです」だそうです が。 |
里見しば | ラは17歳ですが、ミメイは数えで17歳なので、ラより少し年下です。黒目と夜刀は、黒目のほうが 年上ですが、精神的には夜刀のほうが強そうですね。 |
赤松弥太郎 | へえー! > ミメイの方が年下 |
赤松弥太郎 | >>12さん「シナリオをちゃんと完結させる、完成させるコツ」だそうです。 |
里見しば | 最後までの流れを、大雑把でもよいので考えておくことでしょうか。私もあまり大きなことは 言えませんです。 |
赤松弥太郎 | >>15さん、ニコニコでの実況について。 |
里見しば | いろいろな楽しみ方をして貰えて嬉しいです。ゲーム製作にはたくさんの方の協力を得ているので、 出来れば謝辞などを紹介していただければと思います。 |
赤松弥太郎 | >>16さんがボクが質問しそびれたことをかなり突っ込んでますね。 「絵と文章、どちらの制作に先に興味を持たれましたか?」 |
里見しば | 文章です。文章が無いところで、ただ絵を描くということはあまり無いと思います。 |
赤松弥太郎 | 未完?にせよ、物語を初めて書いたきっかけと内容について。 |
里見しば | もともと本を読むことが好きだったので、書いてみたいと思いました。内容は自分の日々思っている ことをつらつらと書いたようなものでした。 |
赤松弥太郎 | 「お話のインスピレーションはどういったものから受けることが多いですか?」 |
里見しば | 生活しているなかで疑問に思ったことや、不思議に思ったことをベースに話を作っていくことが 多いです。 |
赤松弥太郎 | 好きな食べ物、飲み物はなんでしょう? |
里見しば | なんという地味で良い質問ですかw好きな食べ物はお米、飲み物はお茶です。 |
赤松弥太郎 | いいですねー! |
里見しば | ええ? そうですか? |
赤松弥太郎 | まさに日本人的でほっとするチョイスでした。 |
赤松弥太郎 | ゲームで印象深いキャラはいますか? |
里見しば | FF4のリディアが子ども心になぜかすごく好きでした。 |
赤松弥太郎 | 子ども、大人どっちですか? |
赤松弥太郎 | あーと、リヴァイアサンに呑まれる前後どっちが好きか、ですね。 |
里見しば | う~んどっちも好きですが、大人になってからの衣装にびっくりしました。カマキリっぽくて。 |
赤松弥太郎 | 天野さんイラストだと妙に色っぽくってそそられたものです。ボクは7才の頃が好きなんですけどね。 |
赤松弥太郎 | 女の子キャラの造形のコツや、気をつけていることはありますか? |
里見しば | 自然に書いていますが、女の子らしく書くのは苦手のようです。あまり甘い感じにしないように 気をつけています。 |
赤松弥太郎 | >>17さん、「ゲーム制作以外のご趣味を教えてください」 |
里見しば | 読書、映画鑑賞、散歩、犬をひっくり返すこと。 |
赤松弥太郎 | ……最後のはなんですか? |
里見しば | 家の犬をころんころんひっくり返すのが楽しいです。 |
赤松弥太郎 | あービックリした。モップ犬らしきものをひっくり返すと、キノコが密集してわしゃわしゃ動いてる某フリゲのことをつい思い出してしまって…… |
里見しば | そのフリゲ、とっても気になります。 |
赤松弥太郎 | 鉄鋼団のkinokoシリーズです。よろしければぜひー |
赤松弥太郎 | 続けていきます、「商業同人問わずゲームのムービーで特にお好きなものはなんでしょうか」 |
里見しば | ドラゴンクォーターのOPムービーは格好良かったです。 |
赤松弥太郎 | 後で探してみます。「ミメイのムービーで特に苦労なさったところはどこですか?」 |
里見しば | 音楽との同期と、ひたすらに画像を描く作業です。 |
赤松弥太郎 | >>20さん、きのことたけのこ、あなたはどっち派? |
里見しば | 究極の質問です。さくっと感でたけのこです。 |
赤松弥太郎 | はい、だいたい答えられましたかね……今後の活動以外の部分については。 |
里見しば | ご質問、ありがとうございました。嬉しかったです。 |
赤松弥太郎 | では、今後のお話などを聞きながら、そろそろまとめていこうと思います。 |
赤松弥太郎 | まず、先程から度々出ている「3DS」なる単語、いったい何か、という話なのですが。 |
里見しば | TRUE REMEMBRANCEのニンテンドー3DS化につきましては、私から詳細をお話しても良い ものか迷うところです。 |
赤松弥太郎 | あー、守秘義務的なところで難しかったりしますか? |
里見しば | 発売日や、そもそも発売の有無などは、お声を掛けてくださった企業様に一任させていただいて います。 |
赤松弥太郎 | 公式ではまだ音沙汰が無いですからねー。まだ今後に期待、という段階ですかね。 |
赤松弥太郎 | で、しばさんの方ですが。新作待望とか、外伝とか、いろんな声が掲示板でも出てました。 |
赤松弥太郎 | どうでしょうか、今後の活動について、何か言えることがありましたら、一言お願いします。 |
里見しば | 新作は、メモ帳に少しずつ書き溜めているものの、読んで楽しいのかな? と自問自答です。 書いている私は楽しいのですが。 |
里見しば | いつか、どんな形でも良いので、読んでいただけるように完成できればと思います。 |
赤松弥太郎 | ちなみにですが、今度はどんな物語を作ってみようと考えてらっしゃいますか? |
里見しば | 実はフリーゲームのプレイヤーさんは、どんな内容のゲームでも受け止めてくれそうな気が しています。 |
赤松弥太郎 | うーむ。自分のことを考えてみると、結構その通りですね。 |
里見しば | チャット中にもありましたように、悲しいけれど余韻の残るものを書いてみたいと思っています。 が、やはりパワーが必要ですね。 |
赤松弥太郎 | また新しいしばさんの物語が楽しめる日が来ること、ボクも楽しみに待ってます。 |
赤松弥太郎 | では、このインタビューを見ているフリーゲーマーの皆さんに、一言お願いします。 |
里見しば | おっと、難しい振りですね。ええと、深い時間までお付き合いくださって本当にありがとうございます。 |
赤松弥太郎 | いやいやいや! これは完全にボクの不手際というか。申し訳ないです。 |
赤松弥太郎 | こんなに残ってくれる方がいることに感謝です。ありがとうございます。 |
里見しば | フリーゲームは私にとってもとても思いいれが強いものですので、こうしてプレイしてくださる方がいて くれるのは支えになります。 |
里見しば | なかなか活動が表にあらわれなくて申し訳ありませんが、これからも何かを制作していく生活が 続けられたら幸せです。 |
里見しば | また何か出来上がりました際は、お手にとっていただけたら嬉しいです。 |
里見しば | 改まってご挨拶をすると緊張してしまいますが、とにかく、本当に遅くまでありがとうございます。 慣れないチャットでしたが、見ていてくれる方がいて心強かったです。 |
赤松弥太郎 | では、そろそろ最後の質問、よろしいでしょうか。 |
里見しば | はい。 |
赤松弥太郎 | あなたにとって、フリーゲームとは? |
里見しば | 自由に感じたものを表現できる場所です。 |
赤松弥太郎 | はい。今回のゲストは里見しばさんでした。本当に夜分遅くまでありがとうございました。 |
赤松弥太郎 | すいません、色々と不手際が重なってしまって…… |
里見しば | 本当にありがとうございました! |
赤松弥太郎 | 皆さん本当にありがとうございました。 |
里見しば | こちらこそ、ぐだぐだにならずに話をつなげていただいて感謝感謝です。 |
里見しば | 風邪をひかないように、ゆっくり休んでくださいね。 |
赤松弥太郎 | じゃあ、お詫びというかなんですが、一つお知らせを。 |
赤松弥太郎 | 今年もやりますフリゲ2011 !! 来月1日から投票開始! |
赤松弥太郎 | 今年も(ボクにとって)アツいアツい1ヶ月が始まります。みなさん投票よろしくお願いします! |
里見しば | おお~! 赤松さん、どれだけ頑張るんですか。 |
赤松弥太郎 | ということで、今年のインタビューは全て終了です。再開したらまたtwitterでお知らせしますねー。 |
赤松弥太郎 | はい、それではみなさん、ちょっと早いですが、良いおとしを~! |
里見しば | それでは、どうぞいつも元気に、よく眠れますように。ありがとうございました。 |
赤松弥太郎 | ありがとうございます。グンナイ☆ |