第14回 てつ さん(「魔王物語物語」「いりす症候群!」作者)
「特に黒くない、という結論に至ったんですね」
(2013.2.11 - 2.12)
赤松ようこそいらっしゃいました。こちらではお久しぶりです。
てつこんばんは、お久しぶりです。
赤松5年ぶり……くらいですかねえ。
てつなんかで一回来ましたね、なんでかは忘れましたが。
赤松じゃあ、告知も出しましたので、ぼちぼちはじめましょうか。
てつはい、よろしくおねがいします~。
赤松では、「フリーゲーム あの人に聞きたい」第14回、はじめます。
まずはゲストの方、自己紹介からお願いいたします。
てつてつと申します。
おもにフリーゲームをつくり、カタテマというサイトで公開しております。
赤松どうぞ、本日はよろしくお願いいたします。
てつこちらこそ、よろしくお願いいたします。
赤松では、初めは恒例の「人生を変えたゲーム」について。今回は4作選んでいただきました。
今回は全部ボクが知ってるゲームで良かった!
てつはい。
あれほど3作といわれたのに
絞れなかったので勝手に4つ送りました。
赤松いえいえ、多くて全然構いませんよ。
では、発表年順にいきましょう。「ドラクエ2」からですね。
てつはい
ちなみにFC版です。
赤松初めてプレイしたゲーム、でしょうか?
てつ初RPG、初ドラクエですね。
初めてプレイしたゲームはなんだろう…父親がなぜかアタリを持っていて、そのレースゲーム的なものかも。
赤松へえー、アタリあったんですね。
てつ記憶にないレベルの幼いころですが。
赤松まあ、アタリのゲームと比べると、ドラクエ2はすごい豪華に見えたんじゃないですかね。
てつ最初遊び方がわからず、
兄弟で遊んでいたんですが、城の周りを一生回って、
死んだら交代、という先鋭的な遊び方をしていました。
たぶん、アクションゲームのノリで遊んでいたのかなあ。
赤松一周のtypoかと思ったら、え、一生!?
てつ死ぬまで回るので。
赤松説明書無かったんですか?
てつ子供なんで、多分まともに読んでいなかった気がします。
まあそのうち進め方がわかって、ふつうに遊ぶようになるんですが、
ご存知のとおりこのゲーム、なかなかキツイ調整がなされていまして。
赤松ころっと死にますね。
てつそうなんです。
お外を歩いているだけで怖い。
赤松その度にLovesong探さないと行けない。
てつある意味トラウマソング
赤松よく言われるサマルトリアはどうでした?
てつてつのやりでした。
赤松なるほどね……
赤松結局、クリアできたんでしょうか?
てつ敵も強いし、なぞときも難しいし、
敵グラフィックも最近のドラクエと違って、
けっこう怖いのが多いんですよね。
赤松黒バックにあの敵グラですからねえ。エンカウントする時点で怖い。
てつ話通じなそうなのが多い。
外のBGMも寂しげだしで、
そんなさまざまな要素が相まって、「外歩いてると感じる孤独感」みたいのがすごかったんです。
赤松初期ドラクエの基本ってそこなのかな<<孤独感 ひとりぼっちの勇者っていう。
てつこの「外歩いてると感じる孤独感」みたいのが、子供の頃に刻み込まれたのが、
今のゲーム作りにもいろいろとと影響大きかったと思います、今考えると。
赤松なるほど……
てつ< 結局、クリアできたんでしょうか?
すいません、飛ばしていました。クリアはしたと思います。裏ワザ(はかぶさ)つかっていたと思いますが…。
赤松はかぶさはしょうがない。
てつなんせ制作側が通しプレイしてないらしいですからね…このゲーム。
赤松他にはRPG、どんなものをプレイしてましたか? 子どもの頃。
てつふつうにドラクエと、FF、
あと兄のPCでイースとかウイザードリィとかウルティマとかハイドライドとかをやらせてもらっていた記憶があります。
赤松なるほど、本当に一通りですね。
てつそれらは記憶がおぼろげなのでまともにクリアはしてないと思うんですが、子供の頃に「ちょっとやらせてもらった」のは経験上小さくなかったかもしれません。
赤松アクションもかなりプレイしてらしたんですよね?
てつアクションはどうだったかなあ...
小学生の頃とすると大してやってない気がします、ふつうにマリオとか。
赤松あとそうだ、パズルゲームはどうでしたか?
てつぼくパズルは実はさっぱりでして。
赤松え! そうだったんですか。
てっきりぷよぷよとかやってるものかと。
てつうーん
あ、まあ子供の頃ではないですけど、
ぷよぷよくらいはやってますね。
でも特別いろいろやっているわけではないですね。
赤松ずいぶん後になってからプレイした感じですか。
てつぷよぷよは中学か高校じゃないですかねー
赤松そんな中で、2本目に挙げられてるのが「スト2」なんですが、じゃあスト2は特別だったんでしょうか。
てつスト2は
SFC版買って
ずっとやってました
赤松やはりご兄弟で、対戦とか?
てつそういや、スト2の対戦はあんまやってないですね兄弟で。
赤松じゃあ、もっぱらストーリーモードでしょうか。
てつそうです
一人用を延々と
赤松ストーリーでも十分遊べる楽しさがありましたからね。初代の四天王戦はやばかった。
てつ四天王のオーラはすごいですねえ
あの「プレイヤーが使えないキャラ」の放つ独特のオーラに畏怖を感じていました。
ダッシュで四天王が使える!!!とかなったら、そりゃみんな狂気しますよ。
赤松ダッシュ時代のベガは、ちゃんと調整されてないこともあってメチャクチャできましたしね。
多分この頃まで、対戦のことはあまり考えてなかったんだろうなあ。
てつああいう無茶な調整も含めて、愉快でしたねえ
バランス?そんなもん知るか!楽しくやろうぜ!
みたいな豪快な調整でしたね、ある時期まで
赤松まももの作り方にも、バランスはある程度尖っていた方が面白い、と書いてありましたね。
てつああ
まあ格ゲーは未だにやっているのですが
その辺の考え方は、明らかに格ゲーから学んでいますね。
だから格ゲー要素のあるゲームってぼく作っていないんですが、
間接的には、ゲーム作りにかなり影響を与えています。受けていると思います。
赤松AC北斗の拳とかが人気な現状を見ても、外れてはないかもですね。ごく一部除くプレイヤーからするとクソゲーでしょうが。
てつぼくの考えを簡単に言うと、
面白さを実現するためのバランス調整はいいけど、
バランス調整が目的化すると危険、ということですね。
まあ当たり前の話なんですけど、やってしまいがちな。
RPGだって「いい感じの苦戦するバランス」を実現するのって、簡単なんです。なにも苦労することはない。
プレイヤーの強さを完全に固定したり、コントロールすれば、実現出来ます。
でもそれはつまらないですよね、という(※ゲームのコンセプトにもよりますが、ここではふつーのRPGを思い浮かべていただければ)
赤松プレイヤーが強くなっても、いつも同じくら強い敵が出てくるのは苦痛でしかないですね。
時々極端に強い敵や弱い敵が出てくるからメリハリが出る。みたいな。
てつそうですね < メリハリ
赤松で、のこりの2作なんですが。フリーゲームなんですよね。
てつはい。
そのうちの一本は
あげたなかで頭ひとつ抜けて重要な一本ですね。
赤松チョイスを見てるとボクと同世代人の匂いがするんですが、いつ頃からフリーゲームはプレイしてますか?
てつえーと
2001年5月からだと思われます。
赤松ずいぶん細かいですね……あれ?
たしかその「重要な一本」って……
てつなんでこんな明確かというと…
そのうちの一本の公開がその時期なので
< 同世代人
ツクール2000世代ですかねー
赤松ボクの方がちょっと早い感じでした。ボクはAMELが初フリーRPGなので。
てつAMEL BRATとCresteajuはファン多いですねー
赤松じゃあ、その1本目を。これ。
てつあ、そうそう
まさにそのページです、懐かしい!
赤松名作ですよ。今でも語り継がれるべき作品です。
てつえーとですね、どういう経緯だったか全く覚えてないんですが、
あるとき、インターネットコンテストパークというサイトに訪問したんですよね
知らない人も多いかもしれませんが、
赤松もう10年前ですからね……
てつインターネットコンテストパークというのは、簡単に言うと、個人がつくったゲームを募集して、毎月受賞作を発表していたところです。
で、初めてそのインターネットコンテストパークにおとずれたタイミングで、
このゲームが金賞をとっていたという。
この「個人的にはプラチナ賞!」から始まるコメントが、思い出ぶかいです。
こんなテンションで紹介されていたら、そりゃ遊んでみますよね。
で、そこから「やべえおもしれえ!」→「自分でもつくってみよう!」→現在 という感じなので
赤松初めて遊んだフリーゲームがこれっていうのは、すごくラッキーなことだったと思います。
てつそうなんです。
だから、コンパク訪れたのが、その年のこの月以外だったら、
ひょっとしたらゲームつくったりしてないかもしれないくらいなんで。
そういう意味で、ぼくに及ぼした影響が大きい一作なのです。
赤松「盗人講座」のすごいところは、ほとんどのグラも音楽も素材なんですよね。この「ほとんど」がポイントで。
しめるところで効果的に自作ものが使われていて。
てつそうです、まさにそこも重要で。
いくら名作でも、高技術、物量投入系のアマチュアゲーだったら、
「自分もつくろう」とは、なっていなかったかもしれません。
個人が、優れたアイデアで、面白いものを作った、というのが、
なんというか、夢のように感じましたね。
赤松なんか、この時期は特に自作物礼賛がすごくて、「見た目がRTPだったらその時点で捨てる」とか言われてた時期でしたねー。
てつ< 自作物礼賛
そうですねー、懐かしいですね
赤松その中で、見た目はRTPでもちゃんと血の通ったキャラを作るシナリオ・システムがあったからこその高評価でした。
てつ最近やりなおしましたが、やっぱり面白かったですね。やっていないかたはぜひという感じです。
赤松さて、残り1本は「自給自足」でした。アンディーメンテもやってらっしゃるんですね。
てつうわ、もう一時間なんですね。。
はい、AMゲーも、
ぼくがゲーム発表する前からやっていました。
たしかこの頃は
家庭用ゲームは、読み込み時間に待たされるケースが増えてきていたんです
そんな環境下でこのゲームを見つけて、
「そうだよ、求めていたのはこのさくさく感だよ!」みたいな感じで
遊んでいたら10時間くらいたっました。
赤松サクサク進んでサクサク死ぬ、それこそAMゲーですからね。
てつそうなんです。
赤松でもすぐにまたやり直せますからね、自給自足の場合は。
てつで、当時、
「このゲームに読み込み時間があったら成り立つのだろうか」みたいなことを考えていたんですね
で、どう考えても成り立たないのではないかと。
レスポンスがいいか悪いかで、許容されるシステムが変わるというのを
肌で感じたというのが、貴重な体験でした。
赤松やり直しのコストについての話も、まももの作り方に書いてありましたね。買ってね!
てつ宣伝ありがとうございます笑
赤松では>>6さんから、「おすすめのフリゲーいくつか教えていただけないでしょうか?」とのことですが、他にはどうでしょう?
てつうわー、スレの方、増えてますね
赤松後で持ち帰って回答してもらった方がいいかもですね。
てつリアルタイムでレス拾っていけたらかっこいいな思っていましたが、そんな余裕はなかった
6さんについては、
たぶん、この先の話でちょいちょいフリーゲームのタイトルがでてくる気がします!それがお勧めです!
赤松では、若干巻き気味に進めて参りましょう。
てつはいー
赤松で、盗人講座の後、RPGツクールを買って、最初はどんなゲーム作ろうと思ってましたか?
てつふつうにRPGですね
超大作RPGをつくろうと思ってました
赤松ですよねー。
てつですよ。
赤松そして見事にエターナる。
てつ致死率100%妄想
赤松ざんねん! てつさんのツクラー人生は ここでおわってしまった!
てつちょっとですね、このインタビューのために
封じられた記憶を掘り起こしていたのですが
重要な事件を時系列に並べると、
2001.05 盗人講座
2002.06 コンパク終了
2003.04.08(御一行公開)
赤松思いの外早かった……<<インターネットコンパク終了
てつそうなんです< 思いの外早かった……
コンパクを目標にやっていたはずなので
比較的絶望しました。
赤松一つの時代が終わった感が半端無かったです。
てつまあ知らない方はわからないでしょうけど、
当時のインターネットコンパクは、ほんともう、目指すべき大きな目標というか
当事者にとっては本当に大きな存在でした。
赤松最終回がこれ。滑り込み応募がこれだけありましたからね……
てつ73本て
で、盗人講座から、御一行まで2年くらいあるんことにびっくりしました。
まあその超大作RPG(仮)で、けっこう無為な時間があったんだなあ…と
あまり想像したくないですが、時系列整理すると、1~2年無駄にしてたという。
赤松やはり、御一行制作開始の時は思うことがあったんでしょうか? 「このままじゃダメだ」みたいな。
てつそうですねー
記憶がわりとおぼろげなんですが、
その計画も立てずにつくっていた超(略)が破綻して、
心機一転、現実的な尺のものをつくろうとしたのが、、御一行だったんだと思います。
だから、1作目の御一行、2作目の憂鬱は、ゲーム内容自体にRPGへの未練というかあこがれというかなんというかそんなものがすごい含まれてますね、今見ると。
赤松そして、目標をテックウィンコンパクに置いて、〆切目指して作った感じですかね?
てつそうです
御一行は明確にテックコンパクにおくろうと思っていたはずです。
たぶん制作期間4ヶ月~6ヶ月くらいで。
赤松で、見事受賞となったわけで……当時はどう思ってましたか?
てつ当時は、
味わったことのない感情だわー
とか思っていた記憶が
赤松でしょうね……
てつ当時、不特定多数にたいして
なにがしかを発表する習慣がぼくにはなかったので、
サイトなんかも身内用で、Twitterとかももちろんないので、
完全に知らない人に遊んでもらって、ほめられるという感覚が…
まあことばにすると「嬉しい」なんでしょうけど、この表現では言い表しにくい感情がいろいろありました。
赤松では、今ふり返って御一行という作品について、どんな感想を持ってますか?
てつ当時のぼくの実力と、無茶苦茶なつくりかたを考慮すると、ほんとよくできてるなーと思います。
ほんとにぼくがつくったんかな?と思うくらい。
超大作RPG(仮)がなんというかアレな代物だったので
それが爆発したことで、一皮むけたのかなあ、うん。
赤松プレイしてて、どこかしら覚悟は感じますね。「これで勝負してやる!」みたいな。
てつそうですか?そう言われるとうれしいですね。
赤松しっかし、「黒い」ですよねえ。死体描写とか。
てつこの頃は
自分でドット打ってましたね。
ドット改変しやすいのも、ツクール2000のすごいところです。
でも、そうですかねー、
もっとドギツイ作品は山のようにあった気がしています。
赤松仲間同士のいがみ合いとかも。後のカタテマ作品のいわゆる「黒さ」の源流が見えます。
どぎついというより、生臭いベクトルですね。
てつうー」
うーむ
実はこう、自分ではよくわからない部分があって、
その「黒い」ということについてですね。
赤松なんか世間一般じゃ、かしわもちが精神クラッシャー扱いされてて、ボクもどうかと思うんですが。
特に意識してる訳じゃないんですね?
てつまあ少なくとも、自分では「黒くしよう」とは思っていなくて、
そもそも黒いっけ?と自分のゲームを振り返ってみて、
特に黒くない、という結論に至ったんですね。
赤松ですよね!
てつというのは、
小説でも漫画でもフリーゲームでも、はるかにドギツイ作品は山とあるので、
無意味に人が死んだりとか
で、ぼくゲームを黒いと感じるのが、赤松さんだけではなく、たくさんいるとすると、
べつに露骨にキツイ版とかとくにないはずの自分のゲームに、そう感じさせる性質がなにかあるのかなー
とか、なんか考えてしまいましね。
さっきおっしゃった、
< どぎついというより、生臭いベクトルですね。
というのが、ひとつのヒントになるのかもしれません。
赤松ちょっと不思議な感じですよね。てつさんの作品は基本ハッピーエンド至上主義なのに、必要以上に黒い黒い言われてると思います。
てつだとすると、とても興味深いですね。みんなそう感じているのか不明ですが、そうだとすると、その辺は自分の特色なのだろうか?とか考えてしまいます。
赤松てつさんとしては、純粋にバッドエンドだけのゲームは作ろうとは思わないんですか?
てついままでは、
思わなかったですね、一切。
ゲームな部分と、お話な部分を融合させると、
自然と「がんばればハッピーエンド」みたいな設計になるからかな?
その点では、かまいたちの夜なんかが、印象に残っています。
赤松あー、勇者の憂鬱は、その「がんばる」要素が無いんですね。「ハッピー」とは言いづらいエンドでしたけど。
てつあのゲームは、まあ、がんばるもなにもないですね笑
どうでしょうねえ、書かないけど、仮に自分が小説書いたとしても、
バッドエンドにはならない気がするので、性分なのではないでしょうか。
赤松やっぱり頑張ったからには、希望のあるエンドになって欲しいって欲求はありますからね。
てつそう考えると、バッドエンド好きだと、ゲーム部分の設計と相性が悪くなりがちかも。
遊ぶ側としては嫌いじゃないですけでね、バッドエンドゲー。
赤松では、話を進めて。その後まももまでの間は、ずっとミニゲームや3分ゲーで頑張ってましたよね。
てつそうですね。
赤松短編をまとめる技術というのも、なかなか難しいところはあると思うんですが、コツとかあるのでしょうか?
てつ正直「短編」を特別意識したことはない気がします
基本短編が多いので、短編がデフォルトと思っているフシが。
強いて言えば…
プレイヤーに何回か「おっ」と思ってもらうことは、意識しているかもしれません。
赤松意外性とか、斬新なアイディアとかですね。
てつあと、高い目標ですが、うまいことゲームな部分とお話な部分を、融合できることが理想です…(これは短編に限りませんが)
そうですね。
「世界初!」とか図々しいことまでは思っていませんが、
世界ではどこかで既出かもしれないけど、少なくとも自分の中では新しいぞ!きっと、プレイヤーさんにとっても新しいぞ!、みたいな要素は入れたいと思っています
赤松では、そろそろまももの話に。
てつはい
赤松作り始めたときのアイディアについては、まももの作り方に書いてありますが(買ってね!)、
てつはい
赤松その時点でもう、短編には収まらないアイディアじゃないですか。
てつはい。
赤松いよいよ長編を作る時期に来た、という覚悟ができたから、開発を始めた、ということでしょうか。
てつというより、
まああれですね、超大作RPGをつくろうと思ってRPGツクールを買った人なんで
短編はつくりつつも、ずっとRPGをつくろうという野望はもっていたんですね。
RPGツクールXPという武器を手に入れて、
短編を2本つくってみて、
更にC++でゲームをつくれってある程度のプログラミングの素養を身につけ、
準備は整った、という感じだったんではないかと思います。
赤松あと、グラフィック外注も大きいですね、かしわもちは。
てつ確かに
そこで絵師さんと連携した経験を得ることができたのも大きいですねえ。
RPGツクールXPの存在も大きかったです。
スクリプトで組まないと、あのシステムはちょっとぼくには実現無理だったので。
赤松そしていよいよ手を動かし始めたわけですが、Nepheshelとイストワールという偉大な先人があるわけですよね。
てつはい、はい。
赤松まもものアイディアで作るなら、あのシステム設計を参考にしよう、という計算があったのですか?
てつえーとですね
もともとのちょうたいさくRPGが、時代を経るにしたがって、さまざまな影響をうけて、原型が残らなくなるレベルで変形し、あの形にいたったんですが、
なかでもその変形に大きな力を加えたのが、Nepheshelとイストワール…という感じでしょうか。
だからこう、
「まもものアイディアで作るなら、あのシステム設計を参考にしよう」みたいな感じではなかったと思います
赤松ネフェイストを遊んだ結果、まもものアイディア自体が変質した、という感じですか。
てつそんな感じだと…思います
赤松でも、ボクがまももで感動してるのは、ネフェイストは踏襲しつつ、その2作がシステム的に抱えてた弱点を補うようなシステムになってるところですね。
てつほうほう
赤松ネフェイストって、ザコ戦がほんとストレスなんですよ。ボクのような反射神経の鈍いプレイヤーにとって。
てつシンボルを避けるところですかね?
赤松避けきれなくてぶつかると、ザコ戦になる。しかもあまり面白くなかったり。
強い武器を手に入れる>>レベルアップの快感なので。
てつそのへんは、大きな特徴ですよね。
ツクール2000の仕様の存在も大きいです。
赤松てつさんとしては、まももをネフェイストから変えていこうと思ったのはどういったポイントでしたか?
てつ「ここをがんばって差別化しよう!」みたいなことは、考えてなかったと思います。
自分が不足だと思うものを削って、足りないと思うものを追加して、
うまいこと全体を調和させたら、差別化されるところは自動的に差別化できるという思いを持っていたと思います。
たぶんそれは、
ツクールXPという武器を手に入れたことも大きいですね。
ツクール2000しかなかったら、「どうやって差別化しようか…」と悩んでるだけで終わっていたんではないかと。
ネフェイストは素晴らしい作品で、同じツールで挑んでもただの劣化版ができるだけという確信がありました。
赤松タイムアタック!RPG式のエンカウントは、ツクール2000ではほぼ無理ですからね。
てつ< ツクール2000ではほぼ無理
厳しいでしょうね。まあ不可能ではないでしょうけど、作業量を考えると震えが...
赤松その意味でも、課題対策リストの効果は大きいですね。ただ追従するだけでは見えてこないものがありますからね。
てつ「つくりかた」の話ですよね<課題対策リスト
赤松繰り返しになるけど、まももの作り方はいい本なので買ってください。当時の制作日記とかも見られます。
てつありがとうございます笑
赤松しかし、当時の制作日記は衝撃的でした。あまりに衝撃的でウンコーウンコーしか覚えてません。
てつ
なんでしたっけそれ
赤松「ゲバルトシュタイン君の人生相談コーナー」ですね。はい。
てつああ
赤松当時の思想的迷走が見て取れます。
てつ彼について触れるとまた話が長くなるのでやめましょう。
赤松臭いものには蓋ですね。話を進めまして。
てつうまいですね<蓋
赤松そんなこんなでys018をエンドレスで聞きながら、雪花園まで完成させて、一応試作版として仕上げたわけですが。
てつはい、はい
赤松当時と今とで違うところとか、裏話が聞きたいです。
てつなるほど
まあ見ている方に軽く説明すると、
ぼく人に仕事を頼む前の段階で、基本システムは完成させて、ふつうにあそべるレベルまでつくった試作品をつくるんですね
0から複数人でチーム作ってはいスタート!みたいな感じではなく。
魔王物語物語の場合は、雪花園まで遊べる状態のものをつくったと。
赤松結構その時点から、色々変わってるんじゃないですか?
てつたしか最初期のものは、ニコニコさん(絵師さん)と、もうひとり知り合いに遊んでもらって
ニコニコさんがセーブせずに穴に落ちてお亡くなりになっていました。
赤松あ、確認無しで落ちる仕様だったと。
てついえ、確認はありだったです。今と同じ。
赤松まあ……I can flyしたくなる気持ちは分かりますが。
てつ「あれは普通落ちますよ」とご意見をいただいたので、そのままにしました。
赤松wwwww
てつというわけで、意外(?)と、殆ど変わってないとおもいますよ
赤松じゃあ、割と大きなダメ出しは無かったんですね。
てつニコニコさんに、ゲージ回復は歩数ではなく時間経過がいいとご意見いただいたので、そこは反映しました。
赤松あ、それは大きい。
てつ大枠としては変わっていないと思います。
どこかに企画書の画面があったような
赤松キャラクターはどうですか? ニコニコさんの原画がつく前とついた後で、変わったりはしなかったんですか?
てつキャラは
そのときは完全に仮画像をつかっていたので、
もちろんグラフィック面ではぜんぜん未完成だったのですが、
内面的には変わってないんじゃないかなあ…。(記憶が改ざんされている可能性もありますが)
赤松当時からレーラリラさんは「黙れチンポ野郎」とのたまう方だったと。
てつあの人はぶれてないですね
最初期にかたまったキャラだったと思います
奇しくもキャラデザしていただいたのも一番最初なので
赤松気になってるのが、本を読んでると、キャラ原案の段階では、あの方の衣装は白基調って指示があったように見受けられるんですけど。
てつほう
赤松原画に「全然白基調じゃないですね」って書いてある。
てつあーはいはい
よく読めましたね笑
当時の資料あるかなー
赤松結構そういう、イメージカラーの指定だとかくらいは踏み込んで指示出してたんですか?
てつレーラリラに関して言うと、
いや、レーラリラに限りませんが、
キャラのイメージとか、こういう設定ですよ、こういうセリフがありますよ、みたいな資料をつくって、
キャラデザをお願いしていました。
その中に「白基調」というのがあったのではないかと、
ただいっぽうで「ぼくの支持は半分無視していいです」的なこともお話していたので、
その結果として「全然白基調じゃないですね」になったのだと記憶しています。
赤松で、出来上がった黒ドレスでハイヒール装備の絵を見て、てつさんは「ああ、これがレーラリラか」、と、こうなるんですね。
てつそうですね。
たぶんその過程で、
ぼくのなかのキャライメージが変換されているので、
考えてみると、キャラ内面は、「雪花園版」のときのと、キャラデザインが固まった後では、
違っている気もしますね
たとえばですが、ルドルフが、僕が思っているより暗くなったとか
そういうことはあるかもしれません
が、もうキャライメージ変換後の脳なので思い出せない笑 「雪花園版」現物が見つかれば面白いのですが。
赤松その意味で、気になるのがヒマリさんですね。
彼女、「喋らない主人公」だから、どんなキャラでてつさんは考えてたのだろうかなって。
今のヒマリさんときたらもう、すげえパワフルじゃないですか。そんなイメージは制作時点であったのですか?
てつパワフルですかね笑
赤松支援絵掲示板、見ていただけました? 一番大変なカメラ持ってるのがヒマリさん。
てつちょっとみてみます
赤松たぶん、ファンの共通認識だろうと思いますね、頼れるアニキ的な存在というか。
てつたぶん、
もともと、カッコイイ冒険者然とした感じをイメージしていました
ので、大きく外れてはいない…のかなあ
いや、「すげえパワフル」とか「頼れるアニキ」の程度にもよりますが…
赤松うーん。まあ、ルドルフに張り手はるのが、あまりにも絵になりすぎたのは大きい気がします。
てつああ、なるほど。
赤松なんで張り手。なぜヒマリ。
てつ0:00過ぎてますが大丈夫ですかね?
ぼくは大丈夫ですが。
赤松ボクは平気です。けどみんなへの回答はむつかしいかな……
てつちなみにメインキャラのデザインは、最初ニコニコさんで、それをベースにアレンジしたのがきむらさんという流れでした。この流れで、ほんと良いものにしていただきました。
てつうわーすごい増えている < スレ
赤松結構な割合の質問が「まももの作り方買ってね!」で済む感じですので、やっぱり買ってね!
てつまあ後日でもオッケーですよね。
赤松まあ、後で相談しましょう。
てつ設定的な部分は答えられませんが、それ以外はへんとうできます、たぶん
赤松では、公開後の話に……といっても、2年以上かかったのですよね。制作。
てつ製作期間は
どこをスタートとするかによりますねえ
赤松まあ、妄想時期から考えると凄いことになりそうですが。
てつ構想という意味だと、ちょうたいさくRPGから始まるので
制作日記は2006年6月から始まっています
赤松では、そこからだと1年ちょいって感じですか……
てつそうですねえ
ただ、たぶん、この時点で戦闘システムとかを試作して、
「いける」と確信を持っている感じなので、
あと2006年4月がかしわもち、2007.8月が魔王物語物語ということを考えると、
ふつーにカウントすると1年~1年半、ってところだと思います。
ただ、ほんとこのゲームは「ふつーにカウント」できない、いろいろなものが含まれているので、体感的にはずっと長いですねえ。
赤松開発終盤ギリギリまでバグには苦しんだようですけど、公開に踏み切って、で割と早い段階で好評を得て。
いかがでしたか? 報われたような気分でしょうか。
てつ公開数日で、アイテム網羅しているサイトがあったのに衝撃をうけたのを覚えています
赤松今は情報交換がものすごいし、攻略が進むのもすごい早いですよね。
てつ報われた…そうですね。
これ以上無い形で報われたといっていいと思います。
このゲーム作っていた時の気持ちを、はっきりと覚えているんですよ。
自分が好きなものしかつくらない、という。
自分が嫌いな要素を入れてプレイヤーが増えるとわかっていたとしても、絶対に入れないし、
8の人が2楽しめる要素と、2の人が8楽しめる要素の選択で迷ったら、迷わず後者を選ぶ(そして自分はその2の人に入っている)
まあ、フリーゲームつくっている人は、みんなこういう思いでつくっていると思うのですが。
だから、結果的にプレイヤー数が減っても、それはしょうがない、みたいな。
赤松自分の好きなものが、みんなの好きなものに変わる、こういうことですね。
てつ< 自分の好きなものが、みんなの好きなものに変わる
それが理想でする、ほんと
まあそんな感じでつくったにもかかわらず、予想を越えるたくさんのプレイヤーに遊んでもらえたのは、いい着地だったなあ、と。
あの時の気持は忘れないようにしよう、と今でも思っています。
(ちなみにわたしはかな打ちなので「でする」とかは変な言い回しをしているわけではなく、単なる誤打です。
赤松いや、同士と会えるとは……<かな変換
てつえっそうなんですか!初めて出会いましたよ。
赤松ホント嬉しいですねえ。じゃなかった。話を戻して。
てつかな打ちのメリットはですね…いやそれはいいので、次へ。
赤松今まで、本当に色々な反響がありました。二次創作ゲームもでき、ついには舞台にまでなりました。
てつはい、
赤松いろんな反響がある中で、てつさんが「嬉しい」と感じるのはどんなときですか?
てつはい。
他の作者さんの答えも気になる質問ですねえ。
たぶん二種類あって。
分析的な視点ゼロで純粋に遊んでいる感じの感想と、作者の意図(ゲーム、話、etc)をかなりよんだ感想、
ですかねえ。
あ、なんか質問の意図とちょっと違うかな
↑は「プレイヤーさんのどんな感想が嬉しいですか」と解釈して答えてます
赤松いえいえ、大丈夫ですよ。
てつどんなときに嬉しいかというと、単純に遊んでもらえれば嬉しいですね。
赤松さて、時間がだいぶ過ぎてしまって……すいません、そろそろ今後の活動の話に移らせてください。
てつ大丈夫ですよ。
今後もほそぼそとやっていく予定です。
赤松まず掲示板でも多いのが、まもも大陸編についてですね。
続編を作る予定はあるのか、とか、色々来てますけど。
てつ続編は、つくるともつくらないとも確定していない、というステータスですね…。
曖昧な答えですみません。
赤松今の時点では、まだ考えていないと。
てつ少なくとも現時点では、まだですね。
赤松あと、最近はかしわもち英語版とか、いりす中国語版とか、ローカライズを進めてるじゃないですか。
てつはい
まああれは、
進めているというより、
翻訳のお話をいただいているという感じなんですね。
かしわもちは例外で「iPhone版なら当然英語版必要だろ!」的な感じで自分からつくったのですが。
赤松そんな中でPLAYISMのまもも配信の話が出たことがありましたけど……これは聞いてもOKなのかしら。
てつそれ、ぼくの口から言った覚えがなかったので焦ったのですが、
PLAYISMさんのTwitterで言及していたのですね。
赤松はい、PLAYISMが公式アカウントでバラしました。
続報がないので、心配してる声も上がってるようです。
てつはい、中止とかにはなっていないので、大丈夫です。
赤松まあ……てつさん自身が開発日記で書いてるとおり、多いですからねテキストが。見た目の割に。
ぜひぜひ英語圏にも「黙れチンポ野郎」が広まってほしいところです。
てつそうなんです。思っていたより多い…。
まあ、翻訳の話ですが、自分としては、自然体でつくっていたら、翻訳の話をいただく…という流れが理想なので
今後もそんな感じでいきたいです。
海外版に限らないんですが、
赤松さっきも言ったとおり、自分の好きなものを作って、結果として海外にも広まるようならいいな、と。
てつそうです、その話とも関連するのですが。
自分がもともと想定していないプレイヤー層を想定すると、邪念が入ると思うんですね。
赤松てつさんも日本人ですから、英語で考える人のことは考えられないですよね、ナチュラルには。
てつ米国プレイヤーにアピールするには、リアルなおっさんが必要なのでは…とか
そうするとリアルなおっさんありきの話とシステムになったりして、でもそれってぼくの領分じゃないのでクオリティが低くなって、
結局だれにも楽しめないものになる、とか
変に自分と領域の違うものをつくろうとすると、こういう良くない流れが待っている気がして
これは海外版に限らない話なんですね。
なので翻訳の話をいただくのは大変うれしいのですが、翻訳されるのを目的とはしないようにしよう…と思っています。
赤松例えば今、どんなゲームを今後作ってみたいと考えてますか?
てつ動くのあるゲーム(ACTとかSTG系統)とか、
逆に動きのないゲーム(ADV系統)をつくってみたいですね。
今作っているのは、動きのあるほうです。
赤松そちらもまったりと期待しております。
てつまったりと作っていきます。
赤松ではでは、この時間まで残っている163人の皆さんにメッセージを……多すぎだっ!
いやもう、皆さん遅くまでありがとうございます。
てついやいや、ありがとうございます。
今後もマイペースで活動していく予定なので、気が向いたら遊んでやってください。
赤松では、そろそろ最後の質問です。
てつはい
赤松あなたにとって、フリーゲームとは?
てつ居場所、という感じです。
基本的に居心地がいいけど、いいことばかりでもない、でもまあやっぱり好きな居場所。
赤松わかりました。ありがとうございます。
本日のゲスト、てつさんでした。本当にありがとうございました!
てつありがとうございました~
赤松さて、次回のゲストですが、決まりました。
てつほう
赤松「吸血少女」「王女様と薔薇の騎士」「帽子世界」の作者、えぬさんです!
「帽子世界」はホント素敵な作品で、プレイ中なんですけどインタビューにお誘いしちゃいました。
なのでちょっと開催時期は遅くなるかもです。ボクがじっくり遊び終わってから、来月後半とか再来月予定。
詳細はまた後ほどお知らせします。
では、すっかり遅くなっちゃいましたが、今日はお開きです。ホント皆さんありがとうございました。
今日と言っても日付またいじゃいましたけど。
てつあ、質問の回答は後ほど送りますね、はい。
赤松お仕事がある方はお早めにお休みに……ホントすいませんでしたてつさん。
また後ほどメールしますね>てつさん
てついえいえ、お疲れ様でした。閲覧の方も、お疲れ様でした。
赤松ではでは皆さん、ありがとうございました。グンナイ☆
質問と回答です。
(>>2さん)
魔王物語物語の大陸編って、ゲームなりテキストなりなんらかのかたちで世に出される御予定はあるのでしょうか。
イラスト集見てめっちゃ気になったんですが。
(>>18さん)
魔王物語物語の世界観。まだ完結させるには惜しいと思いますが 大陸を舞台に今後続編やスピンオフ作品を制作する予定はありますか?
インタビュー中にもありましたが、予定は未定ですね。
(>>3さん)
あなたのシンプルかつオリジナリティ溢れるゲームに、
よりふさわしい評価を与えるために海外のインディーズ市場にでていかないのか
インタビュー中にもありましたが、今までどおりつくって、
たまたま翻訳してくれる方が出てきてくれて、海外プレイヤーに遊んでもらえる、という流れが理想ですね。
無理に層を広げようとすると、邪念が入るので。
(>>4さん)
こんにちは、ライトプレイヤーです。「黙れチンポ野郎」のインパクトが強すぎて未だに忘れられません。どうしたらいいですか?
(>>48さん)
黙れち●ぽ野郎に込めた思いとは?w
まももで一番衝撃的でしたw
(@_@;)
(>>5さん)
てつさん初めまして いくつか気になる質問をさせていただきます。
・作り始めたけど結局完成せず日の目をみなかったゲームはいくつくらいありますか?
・フリゲ界に入ったのは何年くらいまえでしょうか、また入ったきっかけを教えてください
・技術書でも小説でもよいのでてつさんのおすすめの本を教えてください。
以上です、ひきつづきゲーム制作頑張ってください!たのしみにしてます!
明確に途中で炎上爆発四散したのは、インタビュー中にもあったちょうたいさくRPGだけですね。
でも、四散した肉片(経験、アイデア等)は、その後のゲームの血肉となっているので、間接的に陽の目を見ているとも言えます。
フリゲ界に入った話は、インタビューの方で。
えーと、本は…ジャンル指定がないと思いつかないですね、他の方の回答で少し出てくるかもしれません。
ありがとうございます。ひきつづきゆっくり活動していきたいと思います。
(>>6さん)
てつさん、おすすめのフリゲーいくつか教えていただけないでしょうか?
インタビュー内にいくつかでてきているので、それをぜひ。
↓後続にもでてきますが、ごく最近やったものだと、不思議の城のヘレンが面白かったです。
(>>7さん)
ビジュアル面も印象的ですが、キャラクターデザインなどが決まるまでの過程はどんな感じでしょうか?
(>>31:たかし さん)
いりす症候群は絵と音楽の雰囲気が作品に素晴らしくマッチしてて大好きです
絵師さんと音楽の方にはどういう注文の仕方をなさってるのでしょうか
あと、てつさんって何者なのか気になりますw
(>>32さん)
まももやいりすのBGMの雰囲気のマッチっぷりが素晴らしいのですが
製作依頼時にどのようにしてイメージを伝えるのでしょうか。
私が設定などを伝えて、
絵や音楽のラフや案を起こしていただいて、
それをベースに話合いつつ微修正していく。

みたいな感じなので、たぶん、特殊なことはやっていないと思います。
依頼する方は、ぼくのゲームをプレイしている方が多いので、
そのおかげで雰囲気等の方針を共有・連携しやすいという面は、ひょっとしたらあるのかもしれません。
(>>8さん)
「島」とは一体何なのか、英雄たちの行方、流行り病の大量のお墓や「デフォーミティ」、「イシ」の存在などなど
ストーリー等の背景事情についてはプレイヤー側の想像に委ねられるところが多いこの作品ですが
てつさんの中ではそうした設定全般についての、はっきりした「答え」は用意してあるのでしょうか。
(>>24さん)
魔王物語物語をはじめ、てつさんのゲームは未だに盛んに考察されていますが、
てつさんはそういった考察を見に行ってニヤリとしたりすることはありますか?

また、上でも出ていますが、明確な答えがあるとすればそれを何らかの形で表に出す可能性はあるのでしょうか?
ゲーム内容に関する質問企画のようなものがあったらいいなと思っているのですが
もちろんありますが、ゲーム外で解説を加えるようなことはしない方針でおります。
(>>9さん)
愛と勇気とかしわもちやいりす症候群のようなパズルと魔王物語物語では
ゲームのジャンルも雰囲気もかなり違うと思いますが
それぞれ作ろうと思った経緯について気になります。

また一般的には長いRPGを作るとなると結構挫折しそうになる事もあると思いますが
パズルとRPGではどちらの方が大変だった、或いは楽しかったなどという事があればお聞かせください。
パズルにしてもRPGにしても、既存の作品をプレイして、
「面白い!でもここをこうすれば、もっと好きになるのに!」
みたいな思いが発端や原動力になっていると思います。

RPGは長い分、いかに継続していくかという点、
パズル等は限られたものを改良しつづけていくという、それぞれの大変さと楽しさがありますね。
(>>10さん)
てつさんのゲームには、ブラックな意味でプレイヤーを驚かす場面が多いと思うのですが
そういった作風に影響を与えたもの(小説・ゲーム・アニメなど)があったら教えてください。
また、小中学生の頃のゲーム(作るほうでも遊ぶほうでも)に関するエピソードがありましたらお願いします。
特別変なものを読んだり観たりしている子供ではなかったとおもいます。
強いて言えば藤子・F・不二雄の、ドラえもんじゃない漫画(大人向けの短編)がやたら好きで、読みまくっいてたですね。
ただ、ぼくのゲームのおっしゃる部分が、この影響なのかどうかは、自分ではよくわかりません。

小学生の頃は、そういえばBASICでゲーム作っていました。
この経験は、ツクールでも大いに役に立ちました。
(>>11さん)
『魔王物語物語』のPLAYISMによる国内外向け配信により、
海外の人を含めより多くの人にプレイしてもらえるようになることをずっと楽しみにしておりますが、
まだ配信開始されていないのが残念です。

どのような経緯で来た話なのか気になっていますので、もしお話頂けるのでしたらお願いします。
このあたりは、そのうち語るときがくると思われますので、お待ちください。
(>>12さん)
RPGを作り始める時、決める事はシナリオや設定、システムなど色々ありますが、
どのような順番で固めていきますか?何となくこういう話にしよう、とだけ決めて作りながら全体を考える、
あるいはシナリオはもう先に全部決めてテキストに起こしてから作り始める、
あるいはシステムありきでそれに沿うような話を考えよう、などの話です。

というのも一か所何かを決める・もしくは変える事で他の部分に影響する事などが多く、
どこから考えて行ってどこをどの段階でこれ以上変更の無い決定事項とするべきだろう、というのがいつもゲーム制作で悩みどころです。
多人数で作る場合は特に設定や展開などを変えるとその辺りの影響も大きくなってしまい、
かといって先に全てを決めてしまうと途中で出て来たアイディアへの柔軟性が無くなってしまいますし・・・
全体的にものすごく共感できるし、当然のことながらぼくにも何が正解なのかさっぱりわかりません。

ぼくの場合は、どれかが完全に先にできている、ということはありません。
完全に固まっていない状態の各要素が距離をつめていきつつ、お互いを融和させていっている感じ、だと思います。
シナリオがシステムに影響を与えるし、システムがシナリオに影響を与えます。

あっちを変更するとこっちがでっぱる、みたいな常にもぐらたたき状態なので、
テキスト起こしなどの本格的な具現化を始めるのは、でっぱりがそれなりにおさまってからです。
(それまではメモ書きや脳内の蓄積でまかなう)
また、具現化する過程で気づかなかったでっぱりが出てくるので、そのへんは走りながらなんとかします。

このやりかたは、でっぱるところがなくなるまでならす必要があるので、時間がかかるやりかたなのかもしれません。
でも、こうやってじっくり全体の統合性を高められることは、少人数制作の最大の利点と信じているので、
今後もそんな感じでやっていく所存です。
(>>13さん)
ズバリ、まももものテーマを
ひみつ(^_-)-☆
(>>14さん)
質問ですが二つほど失礼致します。
キャラクター達の細かいプロフィール(誕生日や身長など)はありますか?
そして、いりす症候群やかしわもちといったシンプルかつ奥深く、それでいて新しいパズルゲームが生まれた流れなど知りたいです。

てつさんのお陰でフリーゲーム界を知ることになりました。
これからもずっと大好きです。
ゲームにもよりますが、だいたい身長はあります。
だいたい誕生日はないです。

いりす症候群!は、
ノベルゲームに使えるかもと前々からストックしていた話と、
物理エンジンでパズルをつくろうという思いを融合させた感じでした。

ありがとうございます。励みになります。
(>>15さん)
ヒマリやルドルフ視点で■さんはどのように見えているのでしょうか
それっぽく見えています。
(>>16さん)
てつさんの作品は紆余曲折はありますが最終的にはハッピーエンドに至る作品が多いと思われます。
てつさん自身がハッピーエンド至上主義になったきっかけなどはあるのでしょうか?

私自身以前まではバットエンド信者でしたが、いりす症候群に感動して価値観が変われました。
これからも作品作り頑張ってくださいね。
どうでしょう、そのへんはあまり自覚はなくて、
特別にいい終わりが好きなわけでも、悪い終わりが好きなわけでもないと思っているので、きっかけとかはないと思います。
紆余曲折と終わり方の関係については、ひょっとしたら「かまいたちの夜」の影響があるかもしれません。
ありがとうございます、これからもゆったりがんばります。
(>>17さん)
魔王物語物語が舞台化という話を聞き驚きましたが、
てつさんは自分の作品が舞台化展開したことについてどういった感想をお持ちでしょうか?
自分に縁のない、予想もしていなかった領域に入り込ませていただくというのは、
とても驚いたと同時に、とっても嬉しいですね。
(>>19さん)
魔王物語物語について、一部装備品に存在する隠しパラメータの設定意図(プレイヤーにどのような感じで気づいてもらうかなど)を教えて頂けないでしょうか?
プレイヤーが意図していない不確定要素を入れることと、
裏まで知り尽くしたプレイヤーに利用してもらうこと、です。
(>>20さん)
タイムアタック!RPGのストーリーのエグさはカタテマ作品の中で随一だと個人的に思っているのですが、
あのストーリーはどこから着想を得たのでしょうか?
ストーリーだけと言わずタイムアタック!RPGを作るに至った経緯など教えて頂ければ幸いです。
この作品が初めてプレイしたてつさんの作品なので色々と衝撃的でした。
当時「女盗賊プーラン」というノンフィクションを読んでいて、
盗賊がでてくるのはきっとそのせいですが、盗賊要素以外はたぶんまったく関係ないです。
ゲーム部分は「王道RPGの魔王を倒すまでの大冒険を数分の超スピード体験できるゲームをつくろう」
というアイデアを実現しようと、限りなく瞬時に終わる戦闘をシステムを試行錯誤していました。
で、気づいたらああなっていました。
(>>21さん)
いりす症候群について質問です。
この作品はゲームの進行度に応じてテキストデータが出現し
それを読んでストーリーを保管していく斬新なシステムですが
この手法のアイデアはどのようにして生まれたのか興味を持ちました。
また同作品は精神疾患について取り扱っていますが、参考にした文献、資料等ありましたら教えて頂きたいです。
あんまり確信はないのですが、
たぶん、戦績のテキスト保存システムが、発想の元になっている気がします。
(>>22さん)
作ったゲームは自分で最初から最後まで通して遊んでみるんですか?
もちろんです。
(>>23さん)
自分のゲームでのお気に入りキャラを教えて下さい!
みんな好きですよ!
(>>25さん)
魔王物語物語のマップ構成と戦闘システムを作る上で、それぞれ参考にしたゲームはありますか?
マップはやはりNepheshel、イストワールでしょうか。
戦闘システムは、特別なにかに影響されたわけではないと思います。
(>>26さん)
てつさんももう結構なお年だと思うのですが、「若さ」というのは失いましたか?
もし若さを失ったなら、どんなものを得ていますか?
また、若い人達への若さに気後れするときはありますか?
計画性を得ましたが、無謀さがなくなりましたかね。
昔みたいに、なんの計画もなしに作り始めることができなくなりました。
気後れとかはないと思います。
(>>27さん)
最近ふしぎの城のヘレンをクリアされたそうですが、具体的にどういった部分が面白いと感じましたか?
戦闘システムについてはみんな言っているようなので、違う角度から言ってみますと、
作者さんの一貫したこだわりがすみずみまで行き渡っている感覚に、心地よさを感じたのだと思います。

一例ですがストーリー語りは、
  • 最初からキャラクターを動かせ、人に話しかけられる
  • 仲間には自分の意志で振り返って話しかける
  • 本は読みたくなるように仕向けられている
など、プレイヤーの意思を介入させるようになっていて、聞きたくないときに聞きたくもない話を聞かされる、ということがない。

他にもさまざまな部分で感じられる一貫性やこだわりに、すごい、と思わされました。
(>>30さん)
まももを遊んでいてマップのつながりや各ダンジョンの配置が
上手いなあと思ったのですがマップを作る時は事前にどの程度図などで全体の構造を
決めたりしますか?
全体構造は、事前にExcel的なものとか、ノートに手書きでちゃんと書いていました。
タテなんマップで、横はなんマップで、各所こういう風に繋がって、という感じで。
それをもとにエディタで構築するわけですが、そのときにけっこうアドリブが入ります。
まあケースバイケースなので、自分のやりやすいやりかたでやるのが一番だと思っています。
(>>33さん)
きゃー!てつさーん!早く新作出してくれー!!!
だしますよー(*^_^*) そのうち
(>>34さん)
名前のご由来についてお伺いしたいです
もう公開されてるのかな…
ドラゴンクエスト2、サマルトリア王子の最大最強兵器にちなんではいなくて普通に本名です。
(>>35さん)
やはりお仕事でもプログラミングをやってらっしゃるのでしょうか。
はいでもゲームとは全く関係ないです。
(>>36さん)
ゲームを作るうえで、製作中にもっとも変更が多いのはどこですか?
ゲームによりますが、ほとんどの場合、根幹部分の数値調整ですね。
(>>37さん)
最近もD言語は引き続き使われているんですか?
もちろんです。
(>>38さん)
「検索してはいけない言葉」に『愛と勇気とかしわもち』がリストアップされててびっくりしたんですが、画面外から現れる釘バット入巣京子の方が怖かったですよ!?
(@_@;)
(>>39さん)
てつさん御自身の一人称は「ぼく」ですが、
漢字で「僕」と言わないのは何かこだわりがあるのでしょうか?
作品内でも一人称「ぼく」キャラは皆「ぼく」ですし
ひらがなと漢字のバランスには気をつけていて、
「ひらがなで書くべき漢字」というものが自分の中にあるのですが、
そのうちのひとつが「僕」なのです。
とはいえ、キャラとしては僕とかボクとか使い分けたりするかもしれません今後。
(>>40さん)
キャラクター制作について、もう少し突っ込んでお聞きしたいです。
登場するキャラクターの作成時や立ち回りを決めるときに、
何か特別にこだわっている点があれば教えて頂きたいのですが、
よろしいでしょうか?
自分だけが特別やっているようなことは、思いつかないです。
(そもそも人のやりかたをしらない)
強いて言えば、人単体の設定で考えるものではなく、
人と人との関係も含めてキャラクターである、ということは気をつけているかもしれません。
(でも、これも特別なことでもないですね)
(>>41さん)
てつさんのゲームにはBGM音楽による演出効果がとても大事な要素としてあると思うのですが
ご自身の中で影響を受けた、印象深い映像作品(映画・ドラマなど)はありますでしょうか?
もしあればお聞かせ願いたいです
なんでしょう、バック・トゥー・ザ・フューチャーとか?
でもお聞きの点とはまるで無関係な気がしないでもないです。

音楽と演出の連携の大切さは、素晴らしいオリジナル楽曲を持つ商用作品よりも、
むしろフリーな楽曲をすごくうまく流している、フリーゲームから学んだような気がします。
フリー楽曲は皆が利用できるものだ、ということはフリーゲーム作者は同じ条件で勝負しているはずだ、
でもこの作品の音楽はすごく印象にのこる、それはなぜだろう、みたいに考えるきっかけになったように思います。
(>>42さん)
【22:10時点で寄せられた質問を、大まかなカテゴリごとに整理してみました】
まとめありがとうございます。
(>>44さん)
アレスは僕っ子の女性なのでしょうか?
ルドルフはナナの弟?
(^_-)-☆
(>>45さん)
RPGにおけるレベルシステムについてのお考えを聞きたいです
それと任意でステータスアップするゲームについてどう思いますか?
昔、その話題でいくつか日記を書いた気がします。

ポイント割り振りゲーは、一長一短ではないでしょうか。
いずれにせよ、あらゆるもの(システム、設定、音楽、etc)は単体で評価するのは不可能で、
全体での調和やかみ合わせが重要だと思っております。
(>>46さん)
インターネットコンパク終了
 . .... ..: : :: :: ::: :::::: ::::::::::: * 。+ ゚ + ・
        ∧ ∧.  _::::。・._、_ ゚ ・    ドンマイ!
       /:彡ミ゛ヽ;)(m,_)‐-(<_,` )-、 *
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::iー-、     .i ゚ +
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l  ゝ ,n _i  l
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄E_ )__ノ ̄
(´・ω・`)
(>>47さん)
勇者の憂鬱のような脱力ギャグ系のゲームをまた作りたい意欲などはありますでしょうか
他の作品とはまったく毛色が違う(憂鬱でも他作でも従来RPGへの皮肉は随所に盛り込まれていましたが)のに
とても面白かったのが衝撃的でした
あの手のは、作っていてとても楽しいので、また手を出したいという思いはありますね。
超集中状態でセリフを書き進めれば進めるほどIQが下がっていく感覚が楽しいです。
(>>49さん)
>黒いか黒くないか

個人的には、「現実の厳しさ」みたいなものにえげつなさみたいなのを感じるのかなあとか思います。
(努力でどうにもならないことがあるとか、こちらの思い入れと惨劇は関係なく発生するとか)

それとハッピーエンドであるかどうか、黒いかどうかはまた別問題なんですけど、
辛口の印象になるのかなあと。
(>>50さん)
カタテマゲーはスプラッタやホラーにありがちな衝動的だったりウケ狙いで生まれた「黒さ」というより
てつさんなりのリアルさを突き詰めた結果、
多くの人に「黒く」受け取られるようになった印象が自分にはありますね
(>>51さん)
ハッピーエンドの演出を強くするためにバッドエピソードを強く印象付けようとするため
ダイナミックレンジが広いのだと思います。
なるほどお。
(>>52さん)
絵師さんの作風とゲームの雰囲気・展開とが
無理なくぴったり来ているのがとても心地よかったのですが
絵師さんはどのようにして探して依頼されたのでしょうか?
その辺りは絵師さんの仕事の成果ですね。

素敵な絵師さんをみつけて、ぼくのほうからコンタクトをとるケースが多いです。
音楽は気になるものを確保しておいてから場面に当てはめていく派ですか?
それとも場面のあらましが出来てから探すのでしょうか?
また、音楽ありきで場面を作ったり、イベントを変更したりということはありますか?
ある意味、両方な気がします。
最初は場面ありきで曲を探し求める or 作曲していただきますが、
曲を決めた後は、曲を聴きまくのつつなじむまで場面をイメージします。
この過程で、場面が曲に合うように変化していると思います。
(全部が全部、こういう過程を踏んでいるわけではないですが)
(>>53さん)
買いましたぜ
印刷間違えて、表紙と背表紙を逆にしてしまいましたが…
ありがとうごぜえます!
(>>54さん)
レレレ物語はプレイしましたか?
はい!
(>>59さん)
次作るゲームのジャンルって決まっているんでしょうか?
決まっいて、製作中です。
詳細はそのうち。
(>>60さん)
かな入力のメリットを教えて頂きたいです。
自分もかな打ちなのですが気になります。
「です。」を「でする」と打ってしまったり、
「うーん」を「うほん」と打ってしまって、
かわいそうな感じの子だと思われることができます。
あるあるwww
ご回答、ありがとうございました!