第4回 氷石 彩亜 さん(FREEDOM HOUSE 2nd管理人)
「主役は皆さんです。俺はあくまで脇役です。裏方です」 (2010.6.26)
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♪Don't feel bad(Full ver.) | |
赤松弥太郎 | はい、ということで第1曲目「Don't feel bad」、作曲・氷石彩亜さんでお届けいたします、今夜の「フリーゲーム あの人に聞きたい!」第4回開始いたします。それでは本日のゲストの方、自己紹介をお願いいたします ! |
氷石彩亜 | はい、氷石彩亜と申します。三十路越えたオッサンです。よろしくお願いします。 |
赤松弥太郎 | どうも、よろしくお願いいたします。ということで、始まりました今回の「フリーゲーム あの人に聞きたい!」、今回はちょっと趣向を変えて、素材作家さんとして有名な氷石彩亜さん、かれこれ10年以上活動を続けてらっしゃいますけれども、その現在、過去、未来を振り返る中で、まー、皆さんにも何か、楽しんでいただければなあ、と思っております。では、どうぞ、よろしくお願いいたします。 |
氷石彩亜 | よろしくお願いします。俺なんぞに、大層なことが語れるとは思いませんけれど、ま、よろしくお願いします。 |
赤松弥太郎 | いえいえ、何かの話の種になれば、幸いでございます。では、第一問目。まずは>>2さんからの質問です。氷石さんが作曲を始めたのは何歳の時ですか ? |
氷石彩亜 | 作曲は、高校に入ってから……まあ、高校に入って、PC-98っていうNECのパソコンがあったんで、それから始めた……ってことになるけど、厳密に言ったら、アレか。 |
赤松弥太郎 | そうですね。 |
氷石彩亜 | 中学校に、中学1年か2年、2年くらいだったかな ? 「絵描衛門」ってソフト買ったんですよ、ファミコンの。 |
赤松弥太郎 | ああ、はい。それが、まず初めての作曲経験、ですかね。 |
氷石彩亜 | ですね、厳密に言えば。 |
赤松弥太郎 | ということは、特にその、音楽教室通ったりだとかということは無かった、ですか ? |
氷石彩亜 | うーん、小学校低学年の時は通ってましたね。 |
赤松弥太郎 | ああ、なるほど。でもその時は全然作曲だとかというよりは、ただピアノ弾いて、言われたとおりにって感じですか。 |
氷石彩亜 | ですね。はい。 |
赤松弥太郎 | なるほど。ということで、そこに至るまでの氷石さんの足跡を辿りつつ、お届けして参ろうと思います。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 題しまして、「氷石 彩亜の人生を変えた4つの音楽」ということで、はい。 |
氷石彩亜 | はい。あらかじめ選ばしてもらいましたけど、ちょっと、改めて聞かれると…… |
赤松弥太郎 | どうですか ? |
氷石彩亜 | 生まれてきてから、いろんな音楽に影響されてきたから、特に影響を挙げろと言われると、まあ…… |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | 挙げるのが難しかったですね。 |
赤松弥太郎 | そういうことですけれども、まあ、選んでいただいたのはどれもこれも、ボクらの世代にとっては、ものすごく共感できるラインナップになっております。ボクでも知ってた、多分皆さん知ってらっしゃる、 |
氷石彩亜 | (笑) |
赤松弥太郎 | という選曲になっております。どうぞお楽しみ下さい。 |
氷石彩亜 | 同年代の皆さん、楽しみにしてください。 |
赤松弥太郎 | はい。まず第一曲目、これ。 |
♪スーパーマリオブラザーズ 地上面 | |
赤松弥太郎 | もう語るまでもありませんね、これはね(笑) |
氷石彩亜 | ですねー(笑) |
赤松弥太郎 | スーパーマリオブラザーズ「地上面」、1985年、近藤、えー……なんて読むんだっけ ?(笑)コウジさんか、近藤浩治さんの代表作でございます。 |
氷石彩亜 | そうですね。ファミコン……もう、俺自体がファミコン世代ですから。 |
赤松弥太郎 | そうですよね。生まれてちょっと後にファミコンが出来たような、そういう世代。 |
氷石彩亜 | ですね。 |
赤松弥太郎 | ですよね。 |
氷石彩亜 | 小学校に入ってから、友だちの家で遊び倒しました。 |
赤松弥太郎 | この曲……まあ、聞いてるだけでね、もう……情景が思い浮かびますものね。本当に。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | さてさて、>>10さんから、「ゲーム音楽」ということで、ゲームではなく、音楽の方にシフトしていったきっかけみたいなもの、なんだったんでしょう、という質問が来ています。 |
氷石彩亜 | 音楽の方にシフトしていったのは、先ほどもありましたけど、ピアノ教室ですかね。 |
赤松弥太郎 | あー、ピアノ…… |
氷石彩亜 | 実はですね、俺には姉が2人いるんですけれど、その2人ともピアノ教室に通っていて。 |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | その勢いで、俺も入っちゃったという。で、 |
赤松弥太郎 | それで、だんだんと、音楽という点でゲームを捉えるようになっていく、という感じですかね ? |
氷石彩亜 | そういうことですね。 |
赤松弥太郎 | 例えばその、ピアノでゲーム音楽を弾いたりということも、ありましたか ? |
氷石彩亜 | 右手だけの稚拙なヤツでしたけどね。 |
赤松弥太郎 | あー、やっぱりみんな通る道ですよね(笑) |
氷石彩亜 | 小学校時代はもう、そんな感じでした、全部。 |
赤松弥太郎 | ですよね。ということで、その辺りまでは別段、作曲というところではあまり意識してなかったということなんですけれども。 |
氷石彩亜 | そうですね。漠然とゲーム音楽が好きってだけで。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | 特に作曲という概念がなかったんですね、正直なところ。 |
赤松弥太郎 | そうですね、そうなってくると、では、中学校の時に「絵描衛門」と出会った、ということですけれども、きっかけというのは ? |
氷石彩亜 | いや、まあ、自分でゲーム作れるっていう触れ込みがあって、まあ……ものの試しにやってみようっていう。 |
赤松弥太郎 | はいはい。 |
氷石彩亜 | ま、とりあえず興味本位だったんですけど。その中の、音楽をいじれる部分があって。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | それをもう、とことんいじり倒しましたって感じですか。 |
赤松弥太郎 | 絵だとか、スクリプトだとかというところも、当然あったんだと思うんですけれども、中でも、 |
氷石彩亜 | そうですね、絵とか敵の配置だとかはそっちのけで。 |
赤松弥太郎 | 当時、この「絵描衛門」の音楽ツールっていうのは、ほとんど唯一まともに動くコンピュータシンセサイザーだったという、そういう説もあるくらいの、十分な出来のものだったという風に聞いております。 |
氷石彩亜 | ですね。ヤケに出来が良かった。 |
赤松弥太郎 | もう、ファミコンの音源のすべてを使い尽くしたっていう感じですかね、そうなると。 |
氷石彩亜 | ええ。そう言えるでしょうね。 |
赤松弥太郎 | いい教師に恵まれたっていうところですか。 |
氷石彩亜 | 環境に恵まれたっていう部分はあると思います。親父が仕事ばっかりで転勤族だったんで、 |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | あまり家にいなくて、その分、好き勝手やれたっていうのも、大きいかもしれない。 |
赤松弥太郎 | で、好きな音楽にだんだん没頭していくような日々を過ごしていく中で……では、スーパーファミコンを買ったのってどれくらいの時期だったんですか ? |
氷石彩亜 | 買ったというか、友だちの家で遊ばせてもらったっていうか…… |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | 友だちの家で、あの、ファイナルファンタジーVやったって言いましたっけ ? |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | あれでまあ、オープニングから始まって、チョコボに乗ったりとかしてて。 |
赤松弥太郎 | ええ、ええ。 |
氷石彩亜 | その時の音楽も全部、印象はあって。 |
赤松弥太郎 | あの衝撃はスゴかったですよねえ、あのオープニングは…… |
氷石彩亜 | そうそう(笑) |
赤松弥太郎 | そう、ホント当時のスクウェアって、タイトルデモがメチャクチャスゴかったですからね。あの……「聖剣伝説2」だとか、「ロマンシングサ・ガ2」だとか。 |
氷石彩亜 | はいはいはい。 |
赤松弥太郎 | 同じ世代の人ならうんうんと頷く中でのラインナップになっていると思うんですけど、氷石さんが特に選んで下さったのが、こちらです。 |
♪ロマンシングサ・ガ「オーバーチュア」 | |
氷石彩亜 | ぴしゃごろろろろろ、ぴしゃごろろろろろ。 |
赤松弥太郎 | いやあ、思い浮かびますねえ。ロマンシングサ・ガ1「オーバーチュア」でございます。もう、伊藤賢治の名を世に知らしめたと言っていいですね、この音楽は。 |
氷石彩亜 | いまだにイトケンさんの音楽はこの頃のが一番好きです。 |
赤松弥太郎 | まあ、世界一カッコいい下水道だとか(笑) |
氷石彩亜 | (笑) |
赤松弥太郎 | 色々な曲があるイトケンさんですけど、そうですね。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 非常に重厚というか……まあ、ねえ。 |
氷石彩亜 | ええ。ストリングスが偉大だということを、こん時はじめて知りましたわ。 |
赤松弥太郎 | そうですね。特にスーファミのストリングスってスゴいですよね、ホントに。 |
氷石彩亜 | PCM音源って、録音によってはこれくらいいい音質…… |
赤松弥太郎 | あ、少し聞こえづらいかな。ちょっと下げますね。あ、すいません。ちょっと聞こえづらいんですけれども。大丈夫ですか ? もしもし。ちょっと途切れてるかな。もしもし。 |
氷石彩亜 | はいはい。 |
赤松弥太郎 | 大丈夫ですか ? こっちの声は聞こえてますよね ? |
氷石彩亜 | はい大丈夫、大丈夫です。 |
赤松弥太郎 | ちょっと、やっぱり音かぶると聞こえなくなっちゃうのかな。 |
氷石彩亜 | ねとらじの難しいところで。 |
赤松弥太郎 | そうですねー……。ではでは、そういうことで。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 他にも色々な音楽が、この当時も溢れていたと思うんですけれどもね、本当に。 |
氷石彩亜 | はい。スーパーファミコンが一番元気な時代でしたからね。 |
赤松弥太郎 | ええ。全盛期と言っていいですね。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | そういう中で、「絵描衛門」は相変わらず続けていたっていう感じですか、この時代。 |
氷石彩亜 | ですね。みんながスーパーファミコンで遊ぶ中で、俺だけファミコンの「絵描衛門」をいじっていたという。 |
赤松弥太郎 | ええ、ええ。「絵描衛門」で、例えばスーファミの曲をコピーしたりだとか。 |
氷石彩亜 | はい。どうせ4音だから、大した効果はないんですけどね(笑)。あと、ゲームセンターにも行きだしたもので、実は。 |
赤松弥太郎 | ああ、なるほど。 |
氷石彩亜 | ゲームセンターの音楽を。 |
赤松弥太郎 | はい。もう、スト2全盛期ですよね、例えば。 |
氷石彩亜 | その頃になるとねー。 |
赤松弥太郎 | ですね。 |
氷石彩亜 | 大きなゲーセンで遊ぶスト2も良かったけど、離れの方のゴルフ練習場で遊べたようなゲームセンターのゲームにも…… |
赤松弥太郎 | ああ、「ワニワニパニック」。……ちょっと違うかな(笑) ? |
氷石彩亜 | それもあったな(笑)。マニアックなところで言うと、ジャレコの「プラスアルファ」とか。 |
赤松弥太郎 | ああー ! |
氷石彩亜 | あのフュージョンが。 |
赤松弥太郎 | この時ゲーム音楽って言うのは、本当にいろんな幅で出てきたという感じなんですけれども、 |
氷石彩亜 | そうですね。FM音楽、PCM音楽が溢れまくってましたから。俺にとってはいい環境でした、もう。普通の、市販の音楽よりも、ゲーム音楽の方が。 |
赤松弥太郎 | そんな中で、これ、実はロマサガ1の1年……1年も経ってないんですよね、次の曲が出てくるのってね。全然違う曲だから、もっと後の時代かと思ってたんですけど。 |
氷石彩亜 | まあ、そうなんですよね(笑)。 |
赤松弥太郎 | 実はね。こんな曲も、後ろでは動いていたという。まあ聞いてもらいましょう、これも有名な曲ですから。ええ。 |
♪超兄貴「Sexy Dynamite」 | |
二人 | (笑) |
赤松弥太郎 | もう、一発目で(笑)これはすごい(笑) |
氷石彩亜 | イントロだけで。 |
赤松弥太郎 | はい。葉山宏治の名前を世界に知らしめた、この超兄貴「Sexy Dynamite」でございます。 |
氷石彩亜 | 高校3年間、ずっとこれに浸かってました。 |
赤松弥太郎 | ええ。まあ、中学の頃もこの曲はもう出始めてたんですけども、出会ったのは高校時代だったと。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | で、ちょうどこの時期に、お話のあったPC-98で音楽を作り始めた時期に重なるわけですけれども、 |
氷石彩亜 | はい(笑) |
赤松弥太郎 | その頃の思い出、ということで、>>2さんからのリクエストがございました。 |
氷石彩亜 | ああ、はいはい。 |
赤松弥太郎 | やっぱり、その当時のFM音源だとか、PCM音源だとかには、MIDIにない魅力っていうものがあったんですよね、きっと ? |
氷石彩亜 | ですね。なんて言えばいいのかな。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | 普通の市販の歌手の皆さんが歌うような曲だと、まあ、キレイに歌ってるなっていう、それだけしか印象無かったんですけど、ゲーム音楽に使われてる、FMとかPCMを聞くだけでもう、情景が浮かんできて。 |
赤松弥太郎 | ええ。あの、矩形波の世界がね。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。もう、耳で聞くだけじゃなくて、まぶたの奥に浮かんでくるっていう、そういう相乗効果なんでしょうね。聞き慣れてないだけかもしれない(笑) |
赤松弥太郎 | ええ、ええ。やっぱりキレイなだけじゃなくて、なんというか、雑音というか ? ゲーム音楽特有の音の出方っていうものが…… |
氷石彩亜 | ね。ただキレイなだけだったら、そういう市販の曲に任せておけばいいんですけど。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | 俺はもう、ゲーム機から、パソコンから流れてくる音が好きだった。 |
赤松弥太郎 | それを自分の手で作れるんですからね。 |
氷石彩亜 | はい。高校に入ってパソコン部……正確に言うと「電脳研究同好会」っていう所なんですけど。 |
赤松弥太郎 | あはは、なるほど。 |
氷石彩亜 | そう、まだ当時は同好会扱いだった所ですけれど、そこに入っていきなりPC-98がデデンと置かれてあって。 |
赤松弥太郎 | おお。 |
氷石彩亜 | 音楽が作れるんだっていうことを、先生 ? 先輩に教えてもらって。 |
赤松弥太郎 | もうこれは、何というか、絵描衛門少年としての……天啓ですか。 |
氷石彩亜 | 天啓ですよ、本当に。 |
赤松弥太郎 | その頃のFM音源だとかって、決して贅沢な音では無かったんですよね。 |
氷石彩亜 | そうなんですよね。 |
赤松弥太郎 | 3音とか4音くらいしか出なかったという風に聞きましたけれども。 |
氷石彩亜 | 制限があったんでね。だからその制限の中でどれだけ工夫するかとか、 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | それに、制限があったからこそかえって燃えたというか。いろんな所で使い古されてる音楽かも知れないけど、俺もその世代なんで。 |
赤松弥太郎 | この頃、例えばCGだとかを始めたのもこの頃、ということでいいですか? |
氷石彩亜 | ですね。PC-98にお絵かきソフトもあったわけで。 |
赤松弥太郎 | ああ。それから、CG……でも、氷石さんのCGっていまだに16色だったり、すごく色数が少なかったりしますよね。 |
氷石彩亜 | ですね。16色で。俺が使いだしたのも16色のお絵かきソフトからだったので。 |
赤松弥太郎 | はい。もっと色使おうと思えば今はもっとたくさんの色が使えるわけですけど、 |
氷石彩亜 | 今は贅沢ですねー。 |
赤松弥太郎 | そうですよねえ。 |
氷石彩亜 | 贅沢すぎて、かえって何をやればいいのかわからないという。 |
赤松弥太郎 | だからいまだに16色。 |
氷石彩亜 | そうなんですよ。制限あった方が燃えるんです。 |
赤松弥太郎 | で、その、パソコン部……じゃなくて「電脳研究同好会」ですか。 |
氷石彩亜 | ま、どっちでもいいです。 |
赤松弥太郎 | そちらで神無月サスケさんとの出会いがあったということですね? |
氷石彩亜 | はい、一年先輩の。 |
赤松弥太郎 | 高校の先輩後輩の関係ということで、それが今まで続いている…… |
氷石彩亜 | はい。いまだに続いてます。 |
赤松弥太郎 | お元気ですか ? 最近ちょっと出てこなくて、心配してる方もいると思うんですけども。 |
氷石彩亜 | ちょっとリアルの方でゴタゴタしてましてね。それが片付くまではちょっと、まだ情報発信できない立場だと思います。 |
赤松弥太郎 | なるほど、わかりました。いつかまた、復帰してくれるだろうと思いますけれど、それまで…… |
氷石彩亜 | いつかはね。 |
赤松弥太郎 | そうですね。首を長くして待っていたいと思います。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | で、そうですね。氷石さんにとって神無月サスケさんの第一印象というか、そういうのって、どんな感じでしたか? |
氷石彩亜 | ……変わった人だなあと。 |
赤松弥太郎 | (笑)一言で言うと。 |
氷石彩亜 | もう、その一言に尽きると思うんですよ。 |
赤松弥太郎 | あー(笑) |
氷石彩亜 | 口調も独特だし。哲学も独特的だし。 |
赤松弥太郎 | まあ、そのあたりの独特さはね、ボクらはあの人のゲームをプレイすることでしかわかってないわけですけれど、やっぱり間近でいてもわかりますか。 |
氷石彩亜 | あれだけ個性のある人がもう、高校の中には他にいなかったという。 |
赤松弥太郎 | (笑)他の全てが霞んで見えるくらいの、強烈な個性。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | で、そんなこんなで先輩後輩として仲良くしていたということですね。 |
氷石彩亜 | ですね。俺が部の中で一番音楽を作れるヤツだったということで、サスケさんにはその頃から、文化祭に出すようなチョコチョコしたゲームの作曲も頼まれたりしてて、 |
赤松弥太郎 | あーなるほど。その当時からサスケさんのゲームには氷石さんの音楽がついてたと。 |
氷石彩亜 | ですね。PC-98っちゅうか、どちらかというとFM-TOWNSの方かな ? 富士通が出してたパソコンの。 |
赤松弥太郎 | ああ、はい。FM-TOWNS、FM音色が一番多かった、当時夢の機械だったわけですね、作曲家にとって。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。FM6音で、PCM8音備えてて。 |
赤松弥太郎 | ワオ、すごい ! |
氷石彩亜 | Linuxが動くから、当時はまっとうなOSと呼ばれていて。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | でも富士通の伝統に則って消されたという、悲劇のパソコン(笑) |
赤松弥太郎 | もう、未だにFM-TOWNSへの思いは尽きないかと思いますけれども、 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | CDも一緒に鳴らせるんですからね、なんてったって。 |
氷石彩亜 | はい。そのCDで流してる中で、さっきの超兄貴の曲を……(笑) |
赤松弥太郎 | ああー(笑) |
氷石彩亜 | 他の先輩が持ってきて……あの、PCエンジンのROM2ですかね。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | のCDを持ってきて、流しまくってて、部活の間中。 |
赤松弥太郎 | (笑)それは強烈。そりゃ忘れない。 |
氷石彩亜 | あの頃の部員はみんなメロディを覚えていると思いますよ。超兄貴の。 |
赤松弥太郎 | ええ。「兄貴と私」とか。 |
二人 | (笑) |
氷石彩亜 | 「もうだめだー」ってやつ。 |
二人 | (笑) |
赤松弥太郎 | まあ、ぜひみなさんも機会があったら聞いて下さい。ニコニコとかにいくらでも、アルバムとか上がってるんで、検索すれば出てくると思います。 |
氷石彩亜 | もう、必要以上に感動を与えてくれます。 |
赤松弥太郎 | ええ(笑)あの当時の音楽なんだっていう。はい、そんなこんなで高校時代を、作曲に明け暮れて、FM-TOWNSと一緒に過ごしてきた氷石さんですけれども、 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 文字通りの意味で、巨星がですね、大学時代に迫ってきていました、と、いうことですねー。 |
氷石彩亜 | そうなんですよねー。 |
赤松弥太郎 | 本当に。やってくれちゃいました、この曲は。 |
氷石彩亜 | そうです。 |
♪ファイナルファンタジーVII「オープニング~爆破ミッション」 | |
赤松弥太郎 | まあ、だんだんと盛り上がっていきますので。 |
氷石彩亜 | 聞こえてきたかな。 |
赤松弥太郎 | もう、だいたいタイトルがみなさん、頭の中を巡っていると思いますね。 |
氷石彩亜 | ここから…… |
赤松弥太郎 | ねえ、だんだんと。全景が見えてきて。 |
氷石彩亜 | ああ、画面が思い浮かばれるぅぅ(笑) |
赤松弥太郎 | ばーん ! FINAL FANTASY VII ! って今出てきましたよね ! |
氷石彩亜 | そうです。 |
赤松弥太郎 | ええ、強烈な……いや、当時を知らない方に説明しておきますけど、ファイナルファンタジーⅦってホント、スゴかったんですよ当時は。 |
氷石彩亜 | そうです、規格外ですよ。 |
赤松弥太郎 | ヤバかった。あの当時の興奮をお伝えできないのが残念でしょうがないですね。体験版でこの曲流れてきたときにね、みんな鳥肌立ったと思いますよ。とうとうやっちゃった植松先生っていう。 |
氷石彩亜 | ゲーム自体もやってしまったという感じなんですけどね。俺初めてこの画面を見たとき友人に、あ、プレイステーションってすごいんだーって聞いたんですけど、 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | 友だちが一言、いやこのゲームがすごいんだ、と。 |
赤松弥太郎 | そうだよねえ……本当に。 |
氷石彩亜 | 他のプレイステーションのゲームがそれほどでも……ま、平均的だったっていうのを知ったのは、後の方なんですけど。 |
赤松弥太郎 | まあ、CD三枚組の分厚い箱、そしてマニュアル、いやあ、威圧感に溢れていましたね。 |
氷石彩亜 | そうです。 |
赤松弥太郎 | これは氷石さんとしても、作曲家としては衝撃的だったと。 |
氷石彩亜 | そうなんですよね。厳密にはその前に出てた、スーパーファミコンの「VI」も、自分のそれまで持ってた音楽観がぐらついたんですけどね。 |
赤松弥太郎 | ええ。「VI」の音源もヤバかった、スーファミのほとんど究極に近いところまで行きましたからね。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。植松さんが新ジャンルに挑戦しまくったせいで、俺の持ってた音楽観がもう、完全、破壊されかけた…… |
赤松弥太郎 | そうですよねえ。あのファンタジックな世界のね、あれがどこへ行っちゃったんだっていう。もう爆破ミッションですよ、これ。ねえ。 |
氷石彩亜 | で、「VII」によって完全破壊された、と。 |
赤松弥太郎 | もう、粉微塵に…… |
氷石彩亜 | (笑)現にね、それからしばらくね、ムンホイのBGMの作曲に取りかかるまで、かなりのスランプに陥りましたから。 |
赤松弥太郎 | もう、今までの音楽は何だったんだって思っちゃいますよね、これ聞いたときはね。今までアツく語っていた、ゲームミュージックの限界点みたいなものを、軽々突破していった感じですからね。 |
氷石彩亜 | 映画的なものを目指した、と言われたらそれまでだったんだけど、 |
赤松弥太郎 | 当時そんな発想自体無かったですからね。 |
氷石彩亜 | そう(笑) |
赤松弥太郎 | ゲーム機で映画が出来るんだっていうことがね。全然そんなことも考えもしなかった。今の目で見れば、そんな紙芝居じゃないかとか言われるかもしれないんだけども、当時の衝撃ホントスゴかったんですよね。 |
氷石彩亜 | そうですよね。 |
赤松弥太郎 | ということで、ここからしばらく曲作れない状況になっていた氷石さんなんですけど、サスケさんの「Moon Whistle」の作曲の話が、氷石さんのところにやってきます。 |
氷石彩亜 | ですね。 |
赤松弥太郎 | 一番最初に「Moon Whistle」の構想っていうところで、聞いたのはいつ頃だったんですか ? |
氷石彩亜 | 大学……どうなのかな、厳密には高校の頃からなんですよね。高校の頃にサスケ先輩も、FM-TOWNSでなんか、プログラムで動くやつを、自分でプログラム組んで作ってて。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | で、そのために俺も、FM-TOWNSで曲を作りまくってたんですよ。 |
赤松弥太郎 | なるほど。その時から、幼稚園児が主人公のRPG的なものを目指していこう、みたいな考えがあったと。 |
氷石彩亜 | はい。その頃から幼稚園児が動いてました。 |
赤松弥太郎 | ああ……ということは、その延長線上として「Moon Whistle」も、 |
氷石彩亜 | 「ツクール95」で。 |
赤松弥太郎 | はい、ツクるという話は、結構すんなりと入っていった感じですかね。 |
氷石彩亜 | ん~~……ま、そうですよね。でも、なんか、それまでFM-TOWNSでいろいろ曲を作ってた分もあったし、「ツクール95」ってMIDIになるから。 |
赤松弥太郎 | そうなんですよね。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 当時のMIDIなんて、子どもの遊びじゃないかって音しか出なかったわけですよね。FM-TOWNSと比べたら、まだまだっていうところが、どうしてもやっぱり標準音源だとかだと、あって。 |
氷石彩亜 | その頃だとねー……。 |
赤松弥太郎 | ということで、サスケさんの回想によると、最初はMIDIでの作曲っていうことは渋ってた、っていう風に書いてあったんですけれども。 |
氷石彩亜 | ……ですね(笑)俺だけかも知んないけど、それまで長いこと1つの環境でやってると、新しい環境に移ろうとしたときに、移るのにちょっと時間がかかるんですよ。 |
赤松弥太郎 | えーと、TOWNSですね、それは。 |
氷石彩亜 | はい、そうそう。TOWNSの内蔵音源でばかりやっていると、ちょっとMIDIは入りにくかった。 |
赤松弥太郎 | なるほど。でも、サスケさんの再三の勧めもあって、MIDIで作曲ということを始めたわけですよね。 |
氷石彩亜 | はい、始めて。その頃はSC-55mkIIしかなかったので、 |
赤松弥太郎 | ああ、なるほど。ということは、「ムンホイ」のBGMの推奨音源というのは……SC-55mkIIか。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。 |
赤松弥太郎 | ということになるわけですね。……んー、ということで、作曲するにあたって、最初にプロットだとかっていうものを貰って、そこから曲を作っていったのか、それとも作った曲が場面に当てはまっていったのか、どっちなんですかね ? |
氷石彩亜 | ……それは……どっちかっていうと後者の方でしょうね。俺がいろんな曲を作っていて、サスケさんが場面に合わせて使ってくれたっていう。 |
赤松弥太郎 | なるほど。だから予想外の使われ方も、時々はした、みたいな。 |
氷石彩亜 | うん。まあ……あっちこっちに枝葉を伸ばしまくったような曲ばかり作ってましたけど、「ムンホイ」って作品自体があっちこっちに枝葉を伸ばしているゲームだったんで、 |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | うまく波長があったのかな、と。その辺は(笑) |
赤松弥太郎 | 特に作曲のテーマだとかを決めずに、自分の作れる音楽をてんこ盛りに…… |
氷石彩亜 | そうそうそう。 |
赤松弥太郎 | それをどんどんどんどん、サスケさんに提供していって、サスケさんが…… |
氷石彩亜 | サスケさんがうまいこと使ってくれたおかげで、うまいことハマったんだなと思ってます。 |
赤松弥太郎 | 制作期間はどれくらいになったんでしょうか ? |
氷石彩亜 | タイムスタンプは調べてみたんですけどね。 |
赤松弥太郎 | ああ、はい。 |
氷石彩亜 | だいたい8ヶ月くらい、だったかな ? |
赤松弥太郎 | 8ヶ月 ! 52曲を8ヶ月ですか。結構なハイペースじゃないですか ? |
氷石彩亜 | (笑)まあ、間延びしてた、ですかね。 |
赤松弥太郎 | んー……で、「Moon Whistle」で……フリーゲームとして公開されるっていう話も、まあ最初から聞いていたとは思うんですけど。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | コンパクに見事入賞して。金賞。 |
氷石彩亜 | あれは嬉しかったですね。 |
赤松弥太郎 | ええ。氷石さんの音楽についても、ちゃんとコメントがありましたからね、審査員の方からね。 |
氷石彩亜 | あった(笑)それが……まあ、不謹慎ですけど、嬉しかった。メインはサスケさんのゲームのはずですけどね(笑) |
赤松弥太郎 | 本当に。そこで氷石彩亜という名前が初めて世に出てきたわけですけども、 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | そのあとフリー素材を始めるまでってどういう経緯だったんでしょう ? |
氷石彩亜 | どうなのかな、サスケさんがまた、次の作品作るのかなーと思って構えとったら、まだもうちょっとかかるって感じで。 |
赤松弥太郎 | ああ、なるほど。 |
氷石彩亜 | 俺自身はちょっと……一応サスケさんが恩人なわけですし、いろんな意味で。ネットに引きずり込んだという意味でも。 |
赤松弥太郎 | ええ。なるほど。 |
氷石彩亜 | でもその辺はサスケさんのアイディアで、フリー素材始めたって感じですかね。 |
赤松弥太郎 | サスケさんが、フリー素材やってみたらって言ったんですか。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。せっかくいろんな音楽があるんだからって。 |
赤松弥太郎 | へええ……。 |
氷石彩亜 | だから、PC-98時代とか、FM-TOWNS時代に使ってた曲も、続々と、 |
赤松弥太郎 | MIDI化して。 |
氷石彩亜 | フリー素材に、MIDI変換して……MIDIにコピーしていったんですね。 |
赤松弥太郎 | あー…… |
氷石彩亜 | だから、ろくなMIDIの知識がないうちからやったから、GMの128音しか、Microsoftの付属の音源のヤツは受け付けないってことを知らなかったから、もう…… |
赤松弥太郎 | ええ。時々聞こえなくなるときがあるんですよね。 |
氷石彩亜 | あるんですよ。知識がないとダメなんだよなぁ、そういうのは(笑) |
赤松弥太郎 | その当時って、フリーMIDIの提供だとかっていうのは、そんなにそんなに無かったと思うんですけど。結構時代を先走ってたのかなあと思ってたんですけど、どうでしょうか、そこのあたりは。 |
氷石彩亜 | ……先走ってたんでしょうねえ。 |
赤松弥太郎 | 先駆けみたいなところはありましたよね、やっぱり。 |
氷石彩亜 | 当時、ホームページでMIDIを公開してた人もいるにはいたんですけど、やっぱり、一曲としてですからね。 |
赤松弥太郎 | あ、なるほど。素材集としてではなく、一曲一曲 ? という感じで。 |
氷石彩亜 | ちゃんとした曲としてまとめて出してた感じで。俺みたいななんか、ゲームのBGMとして最初っから想定してたようなヤツってあんまり無かったのかも知れない。 |
赤松弥太郎 | なるほど。公開当初、そうですね、「ムンホイ」が1999年だから、その頃にはだんだんと「RPGツクール2000」だとかも出てきたりしていた時代だと思うんですけど……ちょうどタイムリーだったんですかね。 |
氷石彩亜 | タイムリーだったんでしょうね。その頃から「95」でゲームが一番元気な時期にさしかかってきて、で「2000」も出ましたからね。 |
赤松弥太郎 | そうですね。 |
氷石彩亜 | 一番元気な時代にうまく合ったってことは運が良かったって思う。 |
赤松弥太郎 | そして、公開……公開当初から結構人気はあったんですかね ? |
氷石彩亜 | じわじわとですね。 |
赤松弥太郎 | だんだんと…… |
氷石彩亜 | そうそうそう。1つの作品に使われて、それをもとに、 |
赤松弥太郎 | それが広まって。 |
氷石彩亜 | また別の人が来てくれてって感じ。 |
赤松弥太郎 | で、だんだんと、きっかけというか、次第に次第にという感じで、まあ、有名になっていったと。 |
氷石彩亜 | ひたすら作り続けたってだけです。だから。 |
赤松弥太郎 | というところで、氷石さんが素材作家になったところまでのお話でしたけれど、素材作家になったあとの氷石さんのお話……というか、まず最初にですね、曲を作るときの、流儀というか、ノウハウみたいなところでいくつか質問が来ているので、 |
氷石彩亜 | ああ、はいはい。 |
赤松弥太郎 | はい、そこについて聞かせていただければと思います。 |
氷石彩亜 | (笑) |
赤松弥太郎 | はい、>>3さん。「曲を作る時はメロディーからですか?コードからですか?」 |
氷石彩亜 | 圧倒的にメロディーからっていう割合が多いですね。 |
赤松弥太郎 | そうですよね。氷石さんの曲って常にメロディアスですよね。すごく覚えやすい旋律をしていますよね。 |
氷石彩亜 | それが俺の、信念だと思ってるんで。 |
赤松弥太郎 | やっぱり、覚えてもらえてなんぼですからね、曲っていうのは。 |
氷石彩亜 | あまりにメロディアスすぎて、大学の時の先輩から、たまにはコードから作ってみたらって言われて、コードも作ったことがあるんですけど、やっぱりあの……すぐにメロディアスなものに戻っちゃったという。 |
赤松弥太郎 | (笑)しっくりこなかったんですね。 |
氷石彩亜 | はい。やっぱあの、ゲーム音楽である以上、BGMとしてあまり目だってはいかんのだけど、やっぱり覚えてもらわないかんわけで。 |
赤松弥太郎 | そうですよね、やっぱり、 |
氷石彩亜 | 聞いてもらっただけでその場面が思い起こされるような。 |
赤松弥太郎 | はい、はい。映画音楽だとかと違って、会話だとかに邪魔されることがないですからね。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。 |
赤松弥太郎 | 曲がやっぱり直にプレイヤーに響いてきますからね。 |
氷石彩亜 | それで行くと、メロディアスなのが俺としては一番しっくりきてるかなと思ってるんで。 |
赤松弥太郎 | なるほど。では>>9:だんチューさんからです。「氷石さんは作曲を行う際に、何かを訴え、伝えるためになにか心がけていることはありますか?」ちょっとスゴい……(笑)スゴい質問ですけど。 |
氷石彩亜 | 何かを訴えて伝えてるのかなあ ? |
二人 | (笑) |
氷石彩亜 | ちょっと自分で、正直、それが疑問なんですけど。 |
赤松弥太郎 | あ、あああ。 |
氷石彩亜 | だってそれ、ただ単にメロディアスなだけだからなんじゃないですか ? |
赤松弥太郎 | あぁ~……そう、そういうことか。 |
氷石彩亜 | 俺としてはちょっとあの、BGMとしては、あくまで裏方的な存在なんですよBGMとしては。 |
赤松弥太郎 | ええええ、そうですよね。 |
氷石彩亜 | だからあの、何かのメッセージを特に込めてるわけじゃなくて、ただ単にゲームの裏方として活躍することだけを目指してて。 |
赤松弥太郎 | ああ……でも、こういう場面で使ってもらえたらなあ、みたいな想定っていうのはあるんですよね ? |
氷石彩亜 | ……まあ、そうですよね。その辺を考えてメロディを組んではいますが。だから、あくまでゲームのBGMとして使ってもらいたいなあ、という信念で。 |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | それが答えになると思うんですけど。答えになってないのかも知れないけど。 |
赤松弥太郎 | んー、そうですよね。やっぱり自分の言いたいことではなくて、どういう場面で使ってほしいかなあ、っていうことを想像しながら。 |
氷石彩亜 | そう。 |
赤松弥太郎 | えーと、>>8さんから、好きな音楽とかBGMのジャンルについての質問も来ています。どうでしょう。聞いてて好きな音楽と、作曲してて好きな音楽っていうのは、違うところもあったりしますか ? |
氷石彩亜 | どうなのかな。自分的には、すべての曲に…… |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | それぞれの曲を自分の好きなように使ってるんで。 |
赤松弥太郎 | なるほど。特にジャンルだとかは気にしてないと。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | んー、でも傾向みたいなものはありますか ? |
氷石彩亜 | ……んー……そうだな、昔作ってた頃はただ単にポップスが好きだったから。 |
赤松弥太郎 | そうか、なるほど。 |
氷石彩亜 | 当時プレイしてた「ファイナルファンタジー」とかが、オーケストラ全開じゃなくてポップス寄りな感じだったんで、それも影響されてるのかも。 |
赤松弥太郎 | そうですね。オーケストラ全開はすぎやま御大がやってましたからねえ。 |
氷石彩亜 | なんですよね。 |
赤松弥太郎 | それとまあ、対抗する形で、どっちかって言うとポップス寄り。確かにそうかもしれない。 |
氷石彩亜 | そう、当時はオーケストラの曲が少なかったからな。俺もあまり影響されなかった。 |
赤松弥太郎 | なるほど。ということで、やっぱり原風景としては当時、スーファミ時代のスクウェア音楽だとかっていうところになりますかね。 |
氷石彩亜 | そうなんですよ。ゲームの音楽にしょっちゅう影響されまくるんですよ、俺は。 |
赤松弥太郎 | さてさて、>>4さんからですね、「氷石さんが一番気に入っている曲はなんでしょうか?」という質問が来ています。多分これ、氷石さんが作った曲のなかでっていうことなのかな ? どうなのかな ? |
氷石彩亜 | そう……その質問でされると、さっきの質問とかぶりますけど、やっぱり全部の曲っていうことになるのかな。 |
赤松弥太郎 | あ、やっぱり、自分の作った曲は優劣付けらんないと。 |
氷石彩亜 | そうなんですよね。1つ作った後で新しい曲を作ると、その新しい曲の方が気に入ってしまって。 |
赤松弥太郎 | ええ。 |
氷石彩亜 | でも、その新しい曲の次にまた新しい曲を作ると、やっぱりその、次の新しい曲が気に入ってしまってっていう感じで。 |
赤松弥太郎 | なるほどなるほど。もうこれからも…… |
氷石彩亜 | 作る曲作る曲最高傑作だと思ってるんで。 |
赤松弥太郎 | その当時の、その今の自分の最高を常に出してると。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。 |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | なんかのマンガでも言ってましたね。人間いつだって次回作こそが最高傑作であると。 |
赤松弥太郎 | (爆笑)言い得て妙ですね。 |
氷石彩亜 | だから、今俺が一番好きな曲は、今俺が一番新しく作ってる曲ってことになります。 |
赤松弥太郎 | なるほど。作曲進行中の曲ですね。 |
氷石彩亜 | 今で言うとあの、同人で依頼されてる曲ですかね。 |
赤松弥太郎 | なるほど。なるほど。了解です。わかりましたありがとうございます。そういうことで、何かの場面で使ってくれたらいいなっていう、その想い一途で作っていった氷石さん。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | えーと、反響という面では、やっぱり色々あったと思うんですけども、例えば>>5さんからですね、 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 「気に入っている曲と人気のある曲にギャップはありますか?」という質問……気に入ってる曲はすべての曲、今作ってる曲が一番気に入ってるというお話でしたけど、人気のある曲って言うと結構やっぱり、ジャンル的にはね、あると思うんですけど、そう言うところは気になりますかね ? |
氷石彩亜 | タウン系がやたらと使われてることだけは気になりますね。 |
赤松弥太郎 | 短系……? あの、ショートですか ? |
氷石彩亜 | タウン……町とか。 |
赤松弥太郎 | ああ、はい、タウン系か。わかりました。 |
氷石彩亜 | そうですそうです。 |
赤松弥太郎 | タウン系ね、確かに。うーん、それはしかし、他に作っている人との競合だとか、そういう関係もあるのかもしれないなーと思うんですけどね。 |
氷石彩亜 | うーん。 |
赤松弥太郎 | そうですね、確かによく聞きますよね、氷石さんの。逆に、そう、バトルだとかはあまり聞かないかもしれない。 |
氷石彩亜 | そう。なんか、ザコバトルにボス想定の曲を使われてたり。 |
赤松弥太郎 | あー……。 |
氷石彩亜 | 俺ってザコバトル下手なのかなあ、とそれで悩みましたわ。 |
赤松弥太郎 | いやいやいや、そんなことは……まあ、ねえ、「ムンホイ」の曲だとか聞いてるとねえ、そんなこと無いとは思うんですけどねえ。特に自分的には、苦手なジャンルがあるだとか、そういう意識はない……ですか。 |
氷石彩亜 | まあ、そうですね。オーケストラを作れと言われれば作りますし、エスニックなの作れと言われれば作りますし。 |
赤松弥太郎 | なんでも、来るなら来いという。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 特に苦手分野だとか意識してないけど、結果として、まあ、そうなっちゃってるなあ、という感じですか。 |
氷石彩亜 | そうなんですね。うん。 |
赤松弥太郎 | で、>>11さんからですね、「氷石さんの楽曲が使われている作品で、印象に残った物がありましたら教えてください!」、あと>>4さんからです、「思いもしない箇所で使われたけれど、それが意外とはまっていたなどということはありましたか?」という質問ですね。 |
氷石彩亜 | うーん。 |
赤松弥太郎 | どうですか、やっぱり使われてるゲームだとかっていうのは、プレイすることはあるんですか ? |
氷石彩亜 | 正直忙しくて、さわりしかプレイしてないゲームが沢山あって。 |
赤松弥太郎 | あー、なるほど。 |
氷石彩亜 | 下手をするとプレイしてないやつも……ごめんなさい、だけどあるんですけど。 |
赤松弥太郎 | うーん。そうですね、はい。 |
氷石彩亜 | シェアウェアで発売された、どこのサークルだったかな、「ぽこぽこマジカル」っていうアクションゲームなんですけど、 |
赤松弥太郎 | ああ、はい。 |
氷石彩亜 | それに、何だったかな、town14だったかな ? |
赤松弥太郎 | え、town14ですか ? |
氷石彩亜 | 「好(ハオ)」って曲だったんだけど、 |
赤松弥太郎 | ああ、はいはい。ちょっと待って下さい、今かけますね。 |
♪好(ハオ) | |
赤松弥太郎 | これだ。 |
氷石彩亜 | そうそうそうこれ、これです。この曲はもともと、中華街とかそういうものを想定してて。 |
赤松弥太郎 | ああ、はい。 |
氷石彩亜 | タイトルも「好(ハオ)」ってつもりだったんだけど、この曲が氷のアクション面に使われてたことが…… |
赤松弥太郎 | へー ! それはちょっとビックリですね確かに、作曲した側としては。そっかぁ…… |
氷石彩亜 | それで意外だったってのはある。 |
赤松弥太郎 | でも……アリっちゃアリかもなあと思えてきますね、だんだんと(笑)なるほどねえ……やっぱり、そういう使われ方をすると、 |
氷石彩亜 | 嬉しい。 |
赤松弥太郎 | 嬉しいもんですかね。 |
氷石彩亜 | 新しい面を発見できて嬉しいっていうのはある。 |
赤松弥太郎 | なるほど。うーん…… |
氷石彩亜 | 自分はこういう曲だっていうことを想定して、タイトルなんかもそれっぽいものを付けてたりしますけど、結局は感じる人、聴く人次第ですからね。 |
赤松弥太郎 | そうですよね、やっぱり素材ですから。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。 |
赤松弥太郎 | 使い手次第ですよね、本当に。 |
氷石彩亜 | 1つの曲に対して、俺の曲を使ってくれてる皆さんが、どういう使い方をしてくれてるかを見ることによって、 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | その人の考え方とか……曲に対する1つ1つの考え方を見れるのは、ちょっと、俺の趣味だったりもします。 |
赤松弥太郎 | うーん、やっぱりそれは、素材作家としての醍醐味みたいなところですかね。 |
氷石彩亜 | 醍醐味ですね。 |
赤松弥太郎 | そうですね、では…… |
氷石彩亜 | 1つのイメージで固めることはないんですよね。 |
赤松弥太郎 | そうですね、本当に。作った側としてはこういうイメージなんだけれども、後は使う人に任せますよっていう、そういうスタンスの方が気楽かも知れませんよね。 |
氷石彩亜 | そう、それでこそクリエイターなんですから。 |
赤松弥太郎 | そうですよね。さてさて、まあ、そういう氷石さんの想いとはまったく別のところでだと思うんですけど、一時期ですね、その、2003年くらいだったかな ? 人気が、本当にいろんなゲームに使われていて、どこ聴いても氷石さんの曲ばっかりっていう時代があったんですよね。 |
氷石彩亜 | (苦笑) |
赤松弥太郎 | 本当に。「ま た 氷 石 か」とかそういう言葉、言われたことも…… |
氷石彩亜 | ああ、見ました見ました(笑) |
赤松弥太郎 | あったと思います、はい。今振り返ってみて、当時ってどうでしたかね ? |
氷石彩亜 | 複雑でしたね。 |
赤松弥太郎 | うん……。 |
氷石彩亜 | 嬉しいんだけど、いいのかな、と。 |
赤松弥太郎 | ええ。もっと他にも作ってる人が…… |
氷石彩亜 | だって、そんなことで正直に喜んでたら不謹慎でしょ。 |
赤松弥太郎 | ええ(笑)それは確かに。それは確かにそうですけど。ええ。 |
氷石彩亜 | 俺自体もう、いろんな音が使われててなんぼだと思うし。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | まあ、確かに、嬉しいですよ。嬉しいですけどね。 |
赤松弥太郎 | ああ、はい。そうですよね。そう、別に氷石さんの曲で固める必要もないわけだし。 |
氷石彩亜 | そうそうそう。 |
赤松弥太郎 | いろんな曲をいろんな風に楽しんでもらえればって考え方ですかね。 |
氷石彩亜 | そうですね。 |
赤松弥太郎 | まあ、当時は他に選択肢がなかったっていうところも結構あったと思うんですよ。ツクール2000のMIDIって結構独特なところがあるじゃないですか。CC111番でしたっけ ? 仕込まなきゃいけないとか。 |
氷石彩亜 | ああ、はい。 |
赤松弥太郎 | ああいうところでまだ対応しているMIDIも少なかったし、それ特化して作ってた氷石さんにアドバンテージ、結構あったと思うんですね。 |
氷石彩亜 | 俺が特化しまくってたんですかね ? |
赤松弥太郎 | うーん、どうなんでしょうね。その後、いろんな人たちが出てきましたから、そうですね、氷石さんに影響を受けて作曲始めたって人もいるかも知れませんね。きっといると思います。 |
氷石彩亜 | ……いてくれたら嬉しいけどなあ。 |
赤松弥太郎 | そうですね。 |
氷石彩亜 | そうですかねえ ? |
赤松弥太郎 | いろんなところでやっぱり、影響は与えてきたんじゃないかな、と思うんです。 |
氷石彩亜 | 俺が…… |
赤松弥太郎 | >>13さん ? >>13さん ? |
氷石彩亜 | はい ? |
赤松弥太郎 | >>13さんがちょっと、おトイレに行きたいって言ってるんですけど(笑) |
氷石彩亜 | (笑) |
赤松弥太郎 | 誰ですかこれ ? 誰ですか ? 22時に行ってきて下さいよ(笑) |
氷石彩亜 | (笑) |
赤松弥太郎 | いや、我慢してくれなくていいですよ、録音してくれれば。ええ。録音は後で上げます。お約束します。 |
氷石彩亜 | 後で公開するんですよね ? |
赤松弥太郎 | はい、録音はちゃんとアップローダーに上げて公開するので、ご安心してください。もし本当に切羽詰まってるようだったら、行ってきていいですよ、どうぞ、どうぞ。体に悪いですからね。はい。 |
氷石彩亜 | (笑) |
赤松弥太郎 | テキストにまとめるのはちょっとお時間頂くかもしれません。今回も1時間ちょっと過ぎそうな感じがしてきちゃってるんですけど、そうすると、打つの大変なんですよボクも。そこはご容赦下さい。 |
氷石彩亜 | 公開するとは聞いております。 |
赤松弥太郎 | はい。……えーと、そうですね。じゃあ、皆さんからの質問というところで、そろそろ始めていきましょうか。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | みなさん、お待たせしました。まずは>>5さんから、「GM音源で使ったことの無い音色ってありますか?」 |
氷石彩亜 | シンセ系ですかね。 |
赤松弥太郎 | あ、シンセ系はダメですか。 |
氷石彩亜 | なんかね、使ってるともっさりするんですよ。普通のサックスとか、バイオリンとかの方が、Windows付属音源の方ではハッキリ出るんで。 |
赤松弥太郎 | ふーん。 |
氷石彩亜 | だから、アタックのハッキリしてる音を好んで使ってるんで、アタックのもっさりしてるシンセ系はあんまり。 |
赤松弥太郎 | まあ、シンセシンセしすぎちゃうってところもあるんですかねぇ。なんでしょうね。 |
氷石彩亜 | あと、素材にないと言えば、エスニック系はあまりないかな。 |
赤松弥太郎 | あ、そうですね。 |
氷石彩亜 | バンジョーとか、三味線とか、琴とか、シタールとかですね。 |
赤松弥太郎 | うーん。 |
氷石彩亜 | いや、でも実はこの辺は、今度のKICHUREAさんの同人で作ってる作品の方には、エスニック系を多く使ってるんで、その辺は楽しみにしていていただければという感じか。 |
赤松弥太郎 | それはそれは。ぜひ皆さん楽しみにしていただきたいと思います。 |
氷石彩亜 | そうなると後はシンセ系なんだが、 |
赤松弥太郎 | うーん、GM音源の…… |
氷石彩亜 | 次の素材の課題が見えたかな ? |
赤松弥太郎 | GMだとなかなか使いづらいですか。うーん。 |
氷石彩亜 | その辺のもっさり感を生かす音楽を作れば、なんとかなるかも知んない。ちょっと次の素材では考えてみますね、それは。 |
赤松弥太郎 | なるほど。期待してます。次、>>7さん。ニコ動に色々音を上げてる氷石さんですけど、次はどの曲を投稿するんでしょう ? っていう話です。 |
氷石彩亜 | どの曲上げましょうねえ(笑) |
赤松弥太郎 | うーん、これは皆さんに聞いた方がいいかもしれない。 |
氷石彩亜 | 一応今は、一番最近で上げてるオリジナルの「風のララバイ」ってのがあるんですけど、 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | あれはピアブロの方で歌詞を募集したお陰で、いい歌詞が来て、 |
赤松弥太郎 | おお。 |
氷石彩亜 | 初音ミクでなんとか歌わせようと、今計画はしてますけど、ちょっと今忙しくて。 |
赤松弥太郎 | ええ。 |
氷石彩亜 | 一段落したら、その辺をまず取りかかると思います、まず「風のララバイ」ですね。あとは何にしようかなあ……特に決めてないです。気分次第になると思います。 |
赤松弥太郎 | 初ミク投稿ですね。そうですね。まあミクの調教色々大変だと思いますけど頑張ってください、本当に。あのおてんば娘はねえ。 |
氷石彩亜 | はい。おてんば娘だ、確かに。 |
赤松弥太郎 | で、>>8さん。他のBGM素材屋さんとの交流っていうの、あまり聞かないんだけど、あるんでしょうか、という質問です。 |
氷石彩亜 | そういや無いな。他の人がどうかは知らないけど、俺自身はない。なんか、確かに他の人の音楽も聞きたいってのはあるんですけど、あんまり聞きすぎると、 |
赤松弥太郎 | あ、影響されちゃう。 |
氷石彩亜 | また自分の作風がそれに影響されそうで。 |
赤松弥太郎 | あー。 |
氷石彩亜 | さっきも言いましたけど、俺本当にまわりの音楽に影響されますから。 |
赤松弥太郎 | なるほど。どちらかというと、自分の作っている音に囲まれていたいと。 |
氷石彩亜 | そうです。他の曲に影響されるのは、市販の曲を聴きまくるのはもうとっくに卒業してるんです。後はもう自分の世界を突き詰めるだけで。 |
赤松弥太郎 | なるほど、なるほど。そういう意味では孤高というか、そんな感じですかね。 |
氷石彩亜 | まあ、もうちょっと話だけでもした方がいいとは思うんですけど。 |
赤松弥太郎 | そうですねえ、なんか、みんな引きずり出してやってみましょうかねえ。なんか面白そうなことを。 |
氷石彩亜 | また素材屋インタビューですか ? |
赤松弥太郎 | うーん、じゃなくてですね、フリゲ2009って去年やったじゃないですか、ボク。あの、人気投票。 |
氷石彩亜 | ああ、はいはい。 |
赤松弥太郎 | そのノリでね、フリゲ音楽のね、人気投票をやったらね、みんなね、否が応でも引きずり出されるじゃないですか、そういうことすると。 |
氷石彩亜 | まあ…… |
赤松弥太郎 | (笑) |
氷石彩亜 | そうですけどぉ(笑)うーん…… |
赤松弥太郎 | どーだろーなーしかし。うん、そういうの嫌いな人もきっといるだろうなあ……うん、というところはあるんですけどね。 |
氷石彩亜 | せめて話の種にされることを願います。 |
赤松弥太郎 | ええ。 |
二人 | (笑) |
赤松弥太郎 | さてさて、>>8さん、好きな女の子のタイプ ! |
氷石彩亜 | 黒髪ロングの大和撫子(キッパリ |
赤松弥太郎 | おお。では、 |
氷石彩亜 | まあ、俺自身が古いタイプの人間ですからね。 |
赤松弥太郎 | なるほど。黒髪。やっぱり黒髪。 |
氷石彩亜 | ん。 |
赤松弥太郎 | では、黒髪とケモ耳をどちらか取れと言われたら ? |
氷石彩亜 | …………え゛~ !? |
二人 | (爆笑) |
氷石彩亜 | 両方(笑) |
赤松弥太郎 | ちょっと過酷な質問でしたか ? >>11さん、ケモナーになったきっかけを教えて下さい。 |
氷石彩亜 | ケモナーになったきっかけというか、俺、基本的にファンタジーが好きなんで。 |
赤松弥太郎 | はい、はい。 |
氷石彩亜 | 高校では電脳研究同好会と一緒にSF同好研究会も掛け持ちしてたくらいなんで。 |
赤松弥太郎 | ああ、SFですか。 |
氷石彩亜 | そうなんですよ。学校の中でテーブルトークRPGをやってた唯一の団体だったので。 |
赤松弥太郎 | あ、なるほど。そっち系ですね、うん。 |
氷石彩亜 | そうですよ。まあ掛け持ちしてたと言っても、後半だんだん電脳研究同好会の方にシフトしていったんで、SF研の方は、会報に原稿書いて顔を出すくらい。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | なもんで、とりあえず人外スキー、エルフスキー、ケモノスキーなんで。今のところケモノに特化してるってだけです。 |
赤松弥太郎 | 今のところなんですね、それも(笑) |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | また変わってくるかも知れない。 |
氷石彩亜 | でもケモノはもう、変わんないと思いますよもう。 |
赤松弥太郎 | あ、そうですか。 |
氷石彩亜 | 今、自分で描くこともできるし、なんとか。 |
赤松弥太郎 | あ(笑)自分でね。 |
氷石彩亜 | 高校か大学の頃、海外のケモノ系のファンサイトを覗きまくってたっていう影響もありますね。 |
赤松弥太郎 | ああ、ふゅーりーふゅーりー。みんなで。 |
氷石彩亜 | そうそうそうそう。そっちの方に関しては日本よりも外国の方が進みまくってますから。 |
赤松弥太郎 | そうですね。 |
氷石彩亜 | いつかは英語を習いまくって、なんとかそれに参加したいってのが夢。 |
赤松弥太郎 | うん。やっぱりケモは向こうが本場ですからね、本当に。という感じで、あとは質問が来てるかな ? えーと、はい、>>20さんの質問で、「音楽の話ではないのですが、「フェナックむら」のシナリオはどのような経緯でご担当することになったのでしょうか?」という話でございます。 |
氷石彩亜 | 「フェナックむら」はあの、サスケ氏が、たまにはシナリオやってみんかって、そんだけです。 |
赤松弥太郎 | あ。 |
氷石彩亜 | 実はですね、アクションゲームツクールのサンプル的なものを作ってくれっていうのを、エンターブレインからサスケさんが頼まれてたんですよ。 |
赤松弥太郎 | ああ、なるほど、はい。 |
氷石彩亜 | で、俺も作曲してくれっていう話が来て、でもサスケさんが、自分がシナリオを作ったらまた「ムンホイ」の二の舞になるから、 |
赤松弥太郎 | (笑) |
氷石彩亜 | 「ムンホイ」とは別の方向性を見た方が良いっちゅーことで、たまにはシナリオ書いてみないかってことで。 |
赤松弥太郎 | どうでしたか、シナリオっていうのは、書いてみて。初めてですよね、きっと。 |
氷石彩亜 | んー、高校の頃、自分が文化祭に出してたゲームでも、ちょろちょろとシナリオ書いてはいましたが。 |
赤松弥太郎 | 本格的に公開するという意味では、初めてのお仕事だったと思いますけれど。 |
氷石彩亜 | そうなります。 |
赤松弥太郎 | どうですか、やってみて。 |
氷石彩亜 | ……でまあ、自分がはじめてシナリオを担当した作品ではある。ま、とりあえずあの、サスケさんがやれ、と言われたからやった、それだけです。 |
赤松弥太郎 | そんな感じですか。 |
氷石彩亜 | SF研のころの知識も生かしてって感じで。 |
以下、事後の氷石さんからのメールより抜粋。 > 終盤のフェナックむらの話題で、赤松さんの「どうですか、やってみて?」の > 質問がこちらが完全に聞こえなかったせいで、こちらが完全に > 言葉につまって何をしゃべればいいか分からなかったので焦りました・・・。 > このことはお詫びすると同時に、フェナックむらのシナリオは、 > あくまでサンプルゲーム的な位置づけとして、起承転結程度の > はっきりとした短さに収めるようにしましたが、それでも > 担当してて面白かった・・・ということだけお伝えしておきます。 | |
赤松弥太郎 | もう、でも作曲もできるし、絵も描いてらっしゃるし、シナリオも今回担当したってことになるともう、あとは、 |
氷石彩亜 | はい ? |
赤松弥太郎 | 自分のフリーゲーム作るとか、そういう野望ってないんですか ? |
氷石彩亜 | ……どーかなー ? |
赤松弥太郎 | そうですか。んー…… |
氷石彩亜 | まあ、いつかは自分がプロデューサーとして監修したいっていう方向も、あるとは思いますよ。でも、 |
赤松弥太郎 | ああ、プロデューサーとしてね。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 自分は手を動かさないで、ええ。 |
氷石彩亜 | でも、あちこちには口出ししてって感じで。 |
赤松弥太郎 | (笑) |
氷石彩亜 | でも音楽だけは、自分で1から10まで作るっていうヤツで。 |
赤松弥太郎 | ですよねー(笑) |
氷石彩亜 | でも、それに至るまでには、まだちょっと、自分は実力が足らんと思う。あらゆる意味で。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | 絵もまだ稚拙なものしか書けないし。シナリオも、「フェナックむら ものがたり」は反応が微妙だったし。 |
赤松弥太郎 | あ、そうですか。 |
氷石彩亜 | 子ども向け想定とか言ってたくせに、難しくなかったか、とかさんざん言われましたしね。 |
赤松弥太郎 | あ、そうなんですか。 |
氷石彩亜 | はい。だからもうちょっと、自分の実力を鍛えたいんですよ、もっと。その頃には考えるかも知れないけど、今はまだ。 |
赤松弥太郎 | 今はまだ雌伏の時。 |
氷石彩亜 | はい。ちょっとご勘弁下さいって感じで。 |
赤松弥太郎 | なるほど、なるほど。ということで、この後も、しばらくは作曲で続けていくという感じですかね。 |
氷石彩亜 | 作曲と、あとは絵描きで。とりあえず、自分の世界を構築しまくってる最中なんです、俺は今。 |
赤松弥太郎 | なるほど。 |
氷石彩亜 | もうちょっと自分の世界を固めて、実力ができたら、また何かアクションを起こすかも知れないけど。 |
赤松弥太郎 | うーん。 |
氷石彩亜 | 今はとにかく情報発信しまくって、見てくれる人を集めてる段階ですね。 |
赤松弥太郎 | はい、ということで、そろそろ今後の展開についてのお話も伺っていきたいなあ、と思います。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 最近、同人ゲームのお仕事の依頼を受けて、それでしばらくやっておられたようですけど、 |
氷石彩亜 | はい、はいはい。 |
赤松弥太郎 | 今後はその、例えば、きっぱりフリー素材やめて同人だけでやってくよ、みたいな感じに、なっちゃわないですよね。大丈夫ですよね ? |
氷石彩亜 | んー、フリー素材はもう、趣味としてドンドン作っていきますから、これからも。ただあの、実際問題、浅ましいと思われるかも知んないけど、お金がありますから。 |
赤松弥太郎 | そうですよねえ。やっぱりねえ。 |
氷石彩亜 | だから、あまりおおっぴらに言う気はないんです。がっついてると思われますから。 |
赤松弥太郎 | (笑) |
氷石彩亜 | でもあの、KICHUREAさんたまたま、俺がブログで…… |
赤松弥太郎 | 仕事がないと…… |
氷石彩亜 | 愚痴ってるのを聞いて、じゃあ依頼してみようかな、お願いしていいですか ? という感じで、すんなり話がまとまった、てのもある。 |
赤松弥太郎 | なるほど、ま、タイミングも良かったと。 |
氷石彩亜 | ちゃんとKICHUREAさんからお礼は頂いたし。だからま、趣味の範囲で作ってるフリー素材は、これからも作っていきますから皆さんも使ってほしいし、俺にドーンと金くれる人がいたら、その人のために、 |
赤松弥太郎 | ま、作りますよ、と。 |
氷石彩亜 | 私生活を犠牲にしてでも曲を作りますよ。 |
赤松弥太郎 | はい、はい、そうですね。 |
氷石彩亜 | 浅ましいと思われたくはないけど(笑) |
赤松弥太郎 | じゃあ、まだ>>8さんの言ってるような、お値段決めたりだとかそういうことではなくて、縁があったら呼んでくれ、と。 |
氷石彩亜 | そうです。善意の寄付をいただけたらそれに越したことはない。0だったら0だったで、まだ俺の実力がその程度ってことですから。 |
赤松弥太郎 | 寄付の受付、ですか。 |
氷石彩亜 | うん。お金の問題は本当に難しいから。 |
赤松弥太郎 | ええ、ですよね。 |
氷石彩亜 | だから、詳しく決めるつもりはない。詳しく決めたところでまた、見合わんとか言われるのもアレだし。俺に曲を依頼してくれる人と相談しながら、その辺は決めていきます。 |
赤松弥太郎 | なるほど。ということですので、>>8さん、もし本当に仕事を頼みたい、ということがあったら、ちゃんとお話の筋を通してですね、氷石さんに頼んでいただければと思います。 |
氷石彩亜 | はい、じっくり話しましょ。 |
赤松弥太郎 | 今後の目標というところで、自分の世界を今作っている最中だという話でしたね。 |
氷石彩亜 | そうですね。ホームページもリニューアルせないかんし、長いこと工事中で申し訳ないですけど。 |
赤松弥太郎 | いえいえいえ。本当に、気が向いたときというか、余力のあるときでいいと思うんですよ、そういうことはね。今は自分の作っている最中だっていう話でしたからね。 |
氷石彩亜 | はい、でもそろそろ絵だけでも描かないと、クレミナたちにまたどやされますからね。 |
赤松弥太郎 | なかなかお辛い立場で(笑) |
氷石彩亜 | あと、こっそり言っときますけど、リニューアルに際して、スタッフにもちょっと変動を加えると思います。 |
赤松弥太郎 | おお。 |
氷石彩亜 | それだけはお伝えしておきます。 |
赤松弥太郎 | うーん、さあ、どんな新スタッフの皆さんが加わるのかな ? というところで、皆さんご期待下さい、というところです。 |
氷石彩亜 | ですね。 |
赤松弥太郎 | はい。ではそろそろお時間もいい感じになってきました。そろそろまとめに入りたいと思います。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | ねとらじを聞いているリスナーの皆さん、フリーゲーマーの皆さんに一言、お願いします。 |
氷石彩亜 | そうですね……今日はもう、最初から言ってるとおり、俺の曲はあくまで、ゲームとして使われることを目的とした、あくまで裏方ですから。 |
赤松弥太郎 | そうですね。 |
氷石彩亜 | なんか俺の曲を前面に持ち上げるような、そういう人が中にはいらっしゃいますけど、そういうのは、ちょっと遠慮させていただいてる感じかな。これからも俺は裏方であり続けるんで、 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | みなさんも、そういうのを組み合わせたゲーム自体を楽しんで、ま、この音楽いいなという感じで、俺のこともたまには思い出してくれ、というか……すいません、なんか言おうと思ったんだけど、うまくまとまんないわ。 |
赤松弥太郎 | そうですよね、なかなか……うん、思うところは色々あると思いますけれども。やっぱり皆さん、氷石さんの音楽って意識してなくても、聞こえてくるのがまあ、氷石さんの音楽だと思うんですよ。うん。 |
氷石彩亜 | ……嬉しいのか、なんなのか。現状に甘えないためにも、もっとこれからも曲は作り続けていきますんで、応援してください。 |
赤松弥太郎 | はい、ありがとうございます。では、最後の質問になります。あなたにとって、フリーゲームとは ? |
氷石彩亜 | フリーゲームとは、か……そのフリーゲームを作った人の性格とか人間性とか考え方とか哲学とかを、一番手っ取り早く知るためのもの。 |
赤松弥太郎 | はい。 |
氷石彩亜 | 面白いですよ。人のを観察するのが趣味の俺としては。人に影響されまくる俺としては。 |
赤松弥太郎 | 脇役として、ちょっと傍観するような立場で、ゲームを眺めていくと。 |
氷石彩亜 | そうそう。 |
赤松弥太郎 | これからもきっと、フリーゲームのことをどうぞ、見守っていただければな、と…… |
氷石彩亜 | 主役は皆さんです。俺はあくまで脇役です。裏方です。 |
赤松弥太郎 | どうも本当に、今日はありがとうございました。 |
氷石彩亜 | はい、どうもありがとうございました。 |
赤松弥太郎 | ありがとうございました。ということで、お約束ですが、このラジオの録音に関しましてはアップローダーの方に後ほど上げさせていただきます。先ほども説明した通りでございます。 |
氷石彩亜 | はいはい。 |
赤松弥太郎 | 皆さん、もし聞きそびれた部分等がありましたら、まあ色々聞き苦しいところもあって申し訳なかったんですけれども、はい。 |
氷石彩亜 | すんません、テンパった喋り方ばっかりして。 |
赤松弥太郎 | いえいえいえ。本当にすいませんでした。録音で、もう一回聞き直していただければなあ、と思っております。はい、そうですね、では次回のゲストの紹介ということで、はい。 |
氷石彩亜 | はい。 |
赤松弥太郎 | 音楽から入っていきたいと思います。 |
♪アンブレード戦記 | |
赤松弥太郎 | この出だしでわかる人はわかったかも知れません。4年前「冒険野郎」でデビュー、そして4年間の沈黙を破ってついに新作「アンブレード戦記」を公開しました、この方です。uepomさんです。 |
氷石彩亜 | あー、なるほどねー。 |
赤松弥太郎 | 音楽の力って偉大ですねえ、本当に。 |
氷石彩亜 | 来た(笑) |
赤松弥太郎 | いやあ……あ、しまった ! マッコイさんにまだ招待状を出してなかった ! |
氷石彩亜 | おいおいおいおいおいおい(笑) |
赤松弥太郎 | この作曲をしてくださったマッコイさんにも、あとで、音速で、招待状を出さないと。 |
氷石彩亜 | なんという自転車操業(笑) |
赤松弥太郎 | いや、すいませんすいません。もう、ここ最近バタバタしまくっちゃって。いやあ、申し訳ないです。マッコイさん、聞いてたらごめんなさい ! これから招待状出しますんで。はい、ということで、今日のゲストは氷石彩亜さんでした。どうも、本当にありがとうございました。 |
氷石彩亜 | ありがとうございましたー。 |
赤松弥太郎 | それでは、ねとらじの皆さん、お別れしましょう。それでは皆さん、グンナイ☆ |